LOVE DETERMINATION
第1章 twins PAGE.3
雅弥と知り合ってから数ヶ月過ぎた。
雅季とも図書館でよく会うので、打ち解けていた。
ある日、雅季はこんなことを言い出した。
「それにしても、一樹さんみたいな人がサッカーやってるって驚きだね。」
「俺みたい?」
「僕が知ってる一樹さんは『静』の人だから。もう一方では雅弥みたいに『動』でしょ?『静』と『動』を兼ね備えてて何だか不思議だよ。」
「不思議か…」
「雅弥も言ってたけど、僕と雅弥を足したような感じがするよ。」
「まぁ、それが俺の個性なんだろう。」
「…一樹さん。お願いがあるんだけど。」
「んっ?何だ?」
「うちの高等部に来てくれないか?」
「えっ?」
「これは僕と雅弥の一致した意見なんだ。雅弥はサッカー部に、僕は生徒会にそれぞれが求めているんだ。」
「…大切な進路だ。すぐには返事はできない。」
「もちろん、それはわかってる。だから早い時期にお願いしたんだ。いい返事を期待してるよ。」
雅季は手をひらひらとさせて去って行った。
数日後、河原で雅弥と会う。
「よっ!一樹!」
雅弥がニカッと笑う。
「あぁ、雅弥か…」
「雅季から話は聞いたよな?で、返事は?」
「…雅弥。この前、聞いたばかりだ。すぐには返事できない。」
「そうか?いい話だと思うけどなぁ。」
確かに普通に考えればいい話だろう。
あの西園寺学院に特待生として誘いを受けている。
ただのスポーツ特待生ではない。
仮にサッカーでダメになったとしても退学させられない。
入学金も授業料も免除だ。
これ以上の待遇はない。
なぜだ?
俺は何を迷っている?
自分でもわからない。
返事ができないまま時だけが過ぎていった。
LOVE DETERMINATION 第1章終わり 西園寺学院に進学→![](//img.mobilerz.net/img/ez/0051.gif) 陵泉高校に進学→![](//img.mobilerz.net/img/ez/0051.gif)
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