Kazuki Chiba

LOVE DETERMINATION
第1章 twins PAGE.2


俺は日曜日は練習はしない。

図書館で好きな本を読んだり、勉強をしたりする。

がむしゃらにサッカーだけをやればいいとは思っていない。

気分転換にもなるし、疲れた体を休ませるにはちょうどいい。

いつものように図書館で本を探していた。

目当ての本を見つけ、手を伸ばした瞬間、俺と同じように手を伸ばした男がいた。

お互い顔を見合わせる。

俺は驚いた。

しかし、彼は驚く様子はない。

「見たいのなら、どうぞ。僕は今度にするよ。」

そう言って向こうへ行ってしまった。

数日後、河原に彼がやって来た。

図書館での出来事が気になっていたので話をしてみた。

「この間、図書館で俺だってわからなかったのか?」

「はぁっ?!図書館?!」

彼は驚いた後、納得したような表情を浮かべた。

「それ、俺じゃねぇよ。双子の兄貴だよ。」

「双子…」

「そいつ、眼鏡かけてただろう?」

「あぁ、そう言えばかけてたな…」

「それに前髪は俺は右分け、あいつは左分けだ。」

「さすがにそこまでは…」

俺はなぜかおかしくなって笑いながら図書館でのことを話した。

「まっ。あいつらしーな。それにしても図書館に行ってるって優等生みたいだな。」

「みたいとは失礼だな。自慢じゃないが校内ではトップの成績を保っている。」

「すげぇ!本物じゃねぇか!」

「俺は普段は眼鏡をかけている。プレー中は邪魔になるから外しているが。」

そう言って俺は眼鏡をかけた。

「…なんか、俺と雅季を足したようだな…」

「雅季?」

「あぁ、兄貴の名前だ。そういや、お互い自己紹介してなかったな。俺は西園寺雅弥。西園寺学院中等部1年だ。」

雅弥はニカッと笑う。

「俺は千葉一樹。東中の2年だ。」

「ゲッ。先輩じゃん。」

「まぁ、そうだが同じ中学ではないから先輩、後輩もないだろう。」

「じゃあ、タメ口でもいいか?」

「あぁ、構わない。…もしかして君は西園寺財閥の息子なのか?」

「あぁ…俺、それ言われるの、いっちゃんイヤなんだよなー。」

「すまない。でも事実なんだから仕方ない。俺はあまり気にしないが。」

「そう言ってくれると嬉しいぜ。やっぱ名前出すとそれだけで態度が変わるヤツが多くてさ。だから名前言わなかったんだ。ありがとな。一樹。これからもよろしく。」

「あぁ、俺の方こそよろしく…雅弥。」

そして固い握手を交わした。

その握手が俺の運命を変える握手になるとは、その時は全く予想などしなかった。



前へ 次へ しおりを挟む


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -