LOVE DETERMINATION
第1章 twins PAGE.1
俺は中学2年。
部活はサッカー部に所属している。
小さい頃からサッカーをやっていた。
夢がある。
高校サッカーで国立のピッチに立つこと。
そしてプロになることだ。
そのためには努力を惜しまない。
部活が終わると、近くの河原へ行き、一人練習をする。
いつもの通り、一人で練習をしていると、声をかけられた。
「なぁ。一緒にやんねぇ?」
見たところ、年は変わらない。
スポーツバッグを持ち、サッカーボールを抱えていた。
「あぁ、構わないが。」
二人でボールをパスしながらゴールを狙う。
彼はシュートを放つ。
勢いのついたボールはネットの中へ吸い込まれていく。
「すごいな…」
俺は呟いた。
「そんなこと、ねぇよ。これぐらいのヤツはいくらでもいるぜ?」
謙遜なのか、本当にそう思っているのかはわからないが、俺は瞬間的に彼は将来プロ、いや世界に通用するプレイヤーになるだろうと思った。
ひとしきり汗を流したところで彼は時間だからと言って帰った。
俺はその背中を見つめながら、ゾクゾクするものを感じた。
すごい…俺とは格段に違う…
俺はしばらく動けなかった。
その日から、ほぼ毎日のように、彼は河原へやって来た。
二人で練習をする。
必要なこと以外の話はしなかった。
俺は元々、無口な方だ。
俺からは話しかけない。
彼は俺とは違うタイプなのだろうが、俺に合わせているのか話そうとしない。
しかし、話をしないからといって、お互い気まずいわけではない。
そして今日も彼は先に帰って行く。
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