Kazuki Chiba

Love Everlasting
第1章 愛のきざし PAGE.1


桜が満開の4月、私は陵泉高校に入学した。

そしてあの人と出会う…

入学して少し高校生活にも慣れてきた頃、部活説明会が行なわれた。

陵泉高校は部活動に熱心な高校で生徒は必ず参加しなければいけない。

私は、友達の栄子ちゃんと並んで説明会の話を聞いていた。

「ねぇねぇ、樹々ちゃん。どこに入るか、決めてるの?」

正直、あまり関心のない私は 答えるのにも困ってしまう。

「ううん。全然。栄子ちゃんは?」

「もう決めてるよ!」とニッコリ笑う。

「え〜!もう決まってるの?どこ?」

「サッカー部だよ。」

(サッカー部って女子あったっけ?)

不思議そうな顔をすると、栄子ちゃんはニンマリして「マネージャーだよ。」と言った。

「栄子ちゃん、サッカー好きなの?」

「う〜ん。あんまり詳しくないんだけど、サッカー部は強いし…」

(強いし…?)

「カッコイイ人、いっぱいだから!」

(そこなんだ。まぁ栄子ちゃんらしいなぁ…)

「ねぇ。樹々ちゃんも一緒に入ろうよ!楽しそうだよ〜。」

「え〜。でもマネージャーって大変そうじゃない?それに私、サッカー全然わかんない。」

「カッコイイ人、いっぱいだよ〜。お近づきになるチャンスだよ!」と力強く語る。

少し呆れていると、「次は体育系の部活紹介です。」とのアナウンス。

壇上には何人かの男子生徒が並んでいた。

「一番右端がサッカー部主将の千葉先輩。」

栄子ちゃんの言葉に私はその人を見る。

バチッ!!

火花が散ったかのように目が合ってしまい、私は恥ずかしくなって、うつむいた。

顔を上げられないまま、他の部の紹介を聞いていた。

そして…

「サッカー部主将の千葉です。」

低くて落ち着いた声に私はようやく顔を上げる。

「サッカー部は全国大会にも出場できるチームだが、あと一歩のところ国立まで行くことが出来ない。サッカー経験者は是非、力を貸して欲しい。
…あと、サッカー部は人数が多いのでマネージャーも数名募集したい。
以上です。よろしくお願いします。」

深々と頭を下げる千葉先輩。

(すごく真面目そうな人だなぁ…)

頭を上げた先輩とまた目が合ってしまった。

眼鏡の奥の凛としたキレイな瞳…

私はその瞳に釘付けになってしまった。

それが私達の出会いだった。



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