哀しいくらい
In the case of Kazuki
なぜ、俺ではないのか。
君の隣にいるのが。
なぜ、あいつなんだ。
俺と同じ顔をした。
なぜ?
理由なんかわかっている。
あいつは俺よりも明るくて話上手で…
君への気持ちに対しても素直だ。
そんなあいつに君が惹かれるのは当然だ。
わかっている。
わかってはいるが、なぜ、あいつなんだ?
あいつ以外なら誰でもいい。
俺でなくてもいい。
…でも君はあいつを選んだ。
俺の気持ちに気づかずに。
今日も君は笑っている。
俺と同じ顔をしたあいつの隣で…
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