Kazuki & Mizuki Chiba

BETWEEN KAZUKI & MIZUKI PAGE.5


彼女達が去った後、私は一樹先輩と瑞樹先輩にお礼を言った。

「本当にありがとうございました。先輩達のおかげで助かりました。」

「いや、君が無事ならそれでいい。」

一樹先輩は返事をしてくれたけど、瑞樹先輩は黙ったままだ。

私は心配になって瑞樹先輩を見る。

「樹々ちゃん、ごめん…原因は俺だったんだな…」

「先輩、何言ってるんですか?あの子が勝手に…」

「それに俺じゃダメみたいだ…君を守れなかった…」

私に背を向け、歩き出した瑞樹先輩。

「瑞樹先輩、待ってください!」

先輩を追いかけると瑞樹先輩は振り向いて寂しそうに微笑んだ。

「樹々ちゃん、俺は君のこと好きだけど、あの時、一歩も動けなかった。本当に君のことが好きで君を守ってくれるのは…一樹だけだ…」

私をクルッと後ろに向け、背中をポンと押し、私から離れていく。

私は瑞樹先輩を振り返ることも、前にいる一樹先輩の元へ行くことも出来ずに立ち尽くす。

一樹先輩がゆっくりと歩いてくる。

そして私の前で止まる。

「俺は瑞樹みたいに自分の気持ちを言葉にするのは苦手だ。だが、この先どんなことがあろうとも君を守り抜く。鍵谷さん、君が好きだ。俺の傍にいてくれないか?」

「はい!ずっと先輩の傍に…」

笑顔で答えた私の目から涙がこぼれた。

一樹先輩は涙を拭って、そっと優しいキスをくれた。

それはいつも見守ってくれる一樹先輩の気持ちがいっぱいつまったキスだった。



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