Kazuki & Mizuki Chiba

BETWEEN KAZUKI & MIZUKI PAGE.2


一樹先輩、瑞樹先輩との日常が続くなか、私はあることに悩まされるようになる。

それは嫌がらせだった。

荷物を隠されたり、ノートを破かれたり…

最初はこの程度で済んだのだが、段々エスカレートしてきて、突然、後ろから突き飛ばされたりするようになった。

私は言い知れぬ恐怖に不安だったが、不思議と部活中は何も起こらなかった。

今や、救いは部活だけになっていた。

だが、放課後になるまでの嫌がらせに対する緊張感が続くと疲れも溜まる。

部活中でもボーッとしてしまうことが多くなっていた。

そんな私の変化に真っ先に気付いたのは、やはり一樹先輩だった。

「鍵谷さん、今日、備品のことで確認したいことがあるから残ってくれないか?」

「はい。わかりました。」



練習後、みんなが着替え終わるのを外で待っていたら、瑞樹先輩が出てきた。

「樹々ちゃ〜ん!俺のこと待っててくれたの〜!?」

いつも通り、ニコニコの瑞樹先輩。

「いえ、今日は一樹先輩と備品のことで話があるんで…」

「え〜っ?一樹と?ズルい〜!」

部室のドアが開き、一樹先輩が顔を出す。

「瑞樹、何がズルいんだ?俺がか?」

「だって、せっかく樹々ちゃんが待ってるのに、俺じゃなくて一樹だって言うからさ。」

「仕方ないだろう。仕事だ。お前も手伝え。」

「やった〜!樹々ちゃんと一緒だぁ!」

結局3人で備品チェックをすることになり、作業を始めた。

一樹先輩と私は、いつもやっていることなので淡々と作業を進めるが、瑞樹先輩は初めてなので戸惑いがち。

「一樹と樹々ちゃんはいつもこんなことやってるんだ?結構、面倒だね?」

「そうでもない。慣れれば普通だ。」

チェックが終わると瑞樹先輩は嬉しそうに私に尋ねる。

「樹々ちゃん、一緒に帰ろうよ〜。」

私が返事する前に一樹先輩が言う。

「その前に鍵谷さんと話がある。一緒に帰るなら外で待っててくれ。」

「何だよ?一樹。俺がいちゃまずいのか?」

「それは鍵谷さん次第だが。」

私には一樹先輩の話がピンと来なかった。

「…瑞樹先輩、先に一樹先輩の話聞きます。少し待っててもらえませんか?」

「わかったよ…」

瑞樹先輩が外に出たところで一樹先輩が話し始める。



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