Shun Ibuki

SQUAREな関係 PAGE.1


4月。

私は陵泉高校に入学した。

クラス分けの紙が貼り出されていた。

自分のクラスを確認する。

(あ〜。瞬も一緒だ。)

瞬は隣に住む幼なじみ。

幼稚園からずっと一緒だ。

そして私も瞬も小学校の頃からスイミングを習っていた。

中学でも二人揃って水泳部だった。

後ろから声をかけられる。

「おい。樹々。」

振り返ると瞬がいた。

「あ〜。瞬、また同じクラスだよ。これで何回目かなぁ?」

「さぁ…ほとんど一緒だからな。」

「まっ、いいか。教室に行こ。」

一緒に教室に行くと周りの女子生徒の目が冷ややかだ。

まぁ理由はわかってる。

それは瞬がモテるからだ。

その横にいる私に冷たい視線が注がれるのはいつものことだ。慣れている。

私は別に瞬の彼女でもないし、瞬のことを男の子として意識したこともない。

ただの幼なじみで友達だ。

まぁ、周りはそんなこと知らないから瞬と仲良くしてるだけで冷たくされることもよくある。

でも私が瞬の幼なじみだとわかるとみんな手のひらを返すように私と友達になりたがる。

それはもちろん、瞬と仲良くなりたいからだろう。

瞬は私以外の人に対しては無口だ。

そのことが余計に周りから勘違いされる原因でもある。

瞬はモテるのに今まで一度も付き合ったことがない。

気になって一度、瞬に聞いたことがある。

瞬が言った言葉は「めんどくさい…」

(あー。そうですか。聞いた私が悪うございました。)

「ねぇ、瞬?今日、早速水泳部見に行かない?」

「あぁ。いいよ。」

それを私達の周りで聞いていたんだろうな。

今年はやけに水泳部のマネージャー希望の女子が多かった。

私も瞬も水泳部に入部した。

マネージャーで入部した子も何人かいた。

みんなかわいい子だ。

おそらく瞬目当てなんだろう。

そしてもう一人見知った顔を見つけた。

「あっ!勝利〜!」

私が呼ぶとこっちにやって来た。

勝利は私と瞬と同じスイミングに通っていた。

違う中学だったがまさか、同じ高校だったとは…

「へぇ〜。勝利も陵泉に来たんだ?」

「おう。お前らが行くって聞いたからな。俺もここにした。」

私は勝利とも仲がいいけど、瞬は…

付き合いの長い勝利にでさえ、あまりしゃべらない。

まぁ、人付き合いが苦手なんだろう。



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