エサをあげると強くなる? PAGE.3
ようやく仕事が一段落したので、差し入れを持って行くことにした。
体育館に入り、佐藤先輩の傍に行く。
「先輩、差し入れ持ってきましたよ。」
「すまないな。ところで鍵谷、佐伯がずっとうるさかったぞ。鍵谷はいつ来るんだ?って。」
一緒に帰った時のことを思い出し、ドキッとする。
「佐伯くんと帰りに偶然会って、差し入れ持って行くって言ってましたから。だからでしょ。」
休憩時間になり、佐伯くんが走ってやって来た。
「樹々ちゃん、やっと来てくれたんだ。ずっと待ってたよ。」
佐伯くんの言葉にみんな唖然とする。
「文也、お前いつの間に…」
「そういう関係なのか?」
来栖くんと矢島くんが続けて言う。
「俺としてはそう願ってるけどね。」
佐伯くんが平然と答える。
「鍵谷はどうなんだ?」
佐藤先輩まで話に加わってくる。
「あの…私、一応彼氏いるんで…」
「なーんだ。文也、もう振られてんじゃん。」
「略奪は良くないからな。」
また来栖くんと矢島くんが佐伯くんに言ってその場を離れる。
佐伯くんがスッと近づいて私の耳元で囁く。
「樹々ちゃん、俺、あきらめないからね。」
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