そしてキラキラ。 PAGE.1
私は美術部員。
いつもこの美術室から窓の外を眺めながら絵を描いている。
明るい光が眩しい風景だったり、夕焼けに染まる風景だったり…
今日もいつものように窓の外を眺めていた。
グラウンドを走る男子生徒に目がいく。
何だか、彼はキラキラしているように見えた。
髪の色のせい?
それだけではないように思えた。
しばらく見つめていると遠くに行ってしまった。
次の日もまた次の日も、彼は走っていた。
やっぱりキラキラしていた。
その姿に恋心を抱くにはそれほど時間はかからなかった。
遠い姿だけど、なぜだか顔ははっきりわかる。
私は、急いで鉛筆を取り、彼の姿をデッサンした。
何枚も何枚も描いた。
色もつけてみる。
彼には淡い色が似合うと思った。
淡くて、それでいて優しい輝き…
夢中で筆を走らせた。
『ガシャーン!!!』
大きな音に驚き、後ろに振り向く。
床がキラキラしている。
あまりに美しく、幻想的な光の輝きに目を奪われていた。
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