TEN YEARS LOVE PAGE.7
それから数日後、今日もさーちゃんは来てくれた。
ところが…
今日はなぜか日向くんも一緒だ。
「今日は日向くんがどうしても樹々ちゃんに話があるんだって。私は、下で待ってるからね。」
さーちゃんは出て行った。
「…鍵谷、久しぶりだな。どうだ?調子は?」
「ありがとう。日向くん。元気だよ。いろいろごめんね。迷惑かけちゃって…」
「迷惑はしてない。俺がしてるのは…心配だけだ。」
「心配?どうして?」
「お前には悪いと思ったが、沙織先輩に小さい頃からのことと今のお前のことを全部聞いた…」
「…………」
「お前…いつまでここにいるつもりだ?」
「…………」
「毎日、近藤さんの思い出ばかり考えているんだろ?全部思い出し終わったらどうするんだよ?またもう一度思い出し直すのか?近藤さんとの思い出はこれっぽっちしかないんだろ?これからも近藤さんとの新しい思い出を作ればいいじゃないか!」
「…もう、ユウちゃんにはるりちゃんがいるよ。ユウちゃんにマネージャーは二人もいらないよ。ましてや、彼女だし…」
「お前、近藤さんに自分の気持ち、伝えてないんだろ?」
「甲子園に行けたら、伝えようと思ってたの…それまでは野球に集中してもらいたくて…そしたらるりちゃんに…先越されちゃった…ずっと…ユウちゃんのことだけを好きだったのに…」
「なぁ…今、近藤さん、メチャメチャ調子悪いぞ。明らかにお前のことが原因だよ。このままじゃ…甲子園は無理だ。」
「そんな…」
「お前がこんなだと、近藤さんが心配するのは当然だろ?近藤さんに甲子園のマウンドに立って欲しくないのかよ!」
「………………」
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