Yusei Kondo

TEN YEARS LOVE PAGE.2


早速、野球部に入部した私は、さーちゃんにいろいろ教えてもらった。

中学でもやっていたので基本的なことは変わらない。

すぐにマネージャーの仕事を覚えた。

「やっぱり、樹々ちゃんがいると助かる〜。全然、楽だよ。」

「よかった。さーちゃんにそう言ってもらえて嬉しい。」

「ところで樹々ちゃん。」

さーちゃんの声が少し、小さくなる。

「何?さーちゃん。」

「今でも近藤くんのこと、好きなの?」

私は、顔が真っ赤になった。

「樹々ちゃんは相変わらず、わかりやすいよね。」

「そ、そういう、さーちゃんは?ダイちゃんのこと…」

さーちゃんはクスッと笑って少し頬を赤らめる。

「うん…今もね。」

「ねぇ、さーちゃん。ダイちゃんと付き合ってるの?」

「ううん…まだ気持ちも伝えてないよ。」

「何で?ダイちゃんもきっと、さーちゃんのこと好きだよ。」

「…一応、甲子園に行けたら、伝えようかなと思ってるの。それまでは野球に集中してもらいたいし…」

「そっかぁ。じゃ私達もがんばらないとね!」

「そうね。」

二人でニッコリと微笑み合った。

そこへ監督から休憩のかけ声がかかった。

私達はタオルとドリンクをみんなに配った。

最後にやって来たユウちゃんにも渡す。

「はい、ユウちゃん、どうぞ。」

「あぁ。サンキュ。樹々」

その瞬間、みんながびっくりした表情でユウちゃんと私を見る。

(???)

私は、ユウちゃんの顔を見る。

「ユウちゃん…?」

ユウちゃんがみんなに「何だ?」と尋ねる。

「いや、お互い、名前で…付き合ってるんですか?」

ユウちゃんは「ハハッ!」と笑って話し出した。

「俺と樹々は、いとこなんだよ。俺と大地と沙織と樹々は小さい頃からずっと一緒なんだ。樹々のマネージャー振りは沙織にもヒケを取らないぞ?なっ?大地、沙織?」

ユウちゃんに振られたダイちゃんが答える。

「そうなんだよ。俺達は樹々から、ユウちゃん、ダイちゃん、さーちゃんって呼ばれてるよ〜。」

みんながドッと笑う。

(ココ、笑うとこなの?私には普通のことなのに…)

そこへ監督が大爆笑を聞きつけ、やって来た。

部員が説明すると、笑いを噛み殺していた。よく見ると涙を浮かべている。

(…監督、そこまで笑わなくても。)



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