Special Project

西園寺家新春特別企画 PAGE.1


「あけましておめでとう!」

元日の朝。

朝食のために食堂へ入る。

今日は兄弟全員揃っている。

あちこちから「おめでとう」の声がする。

私は今日の予定をみんなに聞いたら、誰も予定がない。

私はあることを提案した。

「ねぇ、みんなで羽根つきしない?」

西園寺家には女の子がいなかったこともあり、みんな羽根つきをしたことがないと言う。

話し合って全員参加の羽根つき大会をすることになった。

朝食が終わり、羽子板と羽根を柊さんに用意してもらうように頼んだ。

それと御堂さんにはコッソリと墨と筆をお願いした。

部屋へ戻った私は、早速トーナメント表を作り始めた。

「やっぱり、この対決見たいよね〜。」

いろいろ考えて出来上がった。

「う〜ん…何かわざとらしいかな?そうだ!」

私は、別の紙にあみだくじを書いた。

「うん。これで大丈夫!」



約束した時間にみんな庭に集まって来た。

私はトーナメント表を取り出した。



組み合わせを見て雅季くんが一言。

「これ、樹々が考えたの?」

やっぱり、雅季くんは鋭い。

「ううん。あみだで決めたんだよ。ホラ。」

私は雅季くんにあみだの紙を見せる。

「ふーん。それじゃ、仕方ないね。」

「じゃあ、早速始めようよ!まずは雅季くんと修一お兄ちゃんから!」

雅季くんは渋々といった感じで羽子板を受け取る。

「いきなり、修一兄さんか。勝ち目ないよ。」

「まぁ、雅季。そんなこと言わずに。」

修一お兄ちゃんが笑って答える。

「あっ!」

裕次お兄ちゃんが思いだすかのように言った。

「ねぇ、優勝したら、賞品とかないの?」

「優勝した人のお願いをみんなできくってのはどう?」

私が提案するとみんな賛成してくれた。

そして、雅季くんと修一お兄ちゃんの試合が始まった。

他のみんなでいろいろと予想とかしてみる。

「やっぱり、修一お兄ちゃんが勝つかな?」

「でも雅季も頭脳プレーとか使いそうだしなー。」

とは言うものの、大方の予想通り、修一お兄ちゃんが勝った。

「いや〜、思ったより、手こずりましたよ。」

ニコニコ笑いながら話す修一お兄ちゃん。

「まっ、修一兄さんなら仕方ないよ。樹々相手だったらよかったのに。」

雅季くんが意地悪そうな笑顔で私に話す。

「雅季くん、失礼ね!私、意外と強いよ?」

「じゃあ、お手並み拝見させてもらうよ。」

「その前に…雅季くん、眼鏡取って、目をつむって?」

そう言うと、雅季くんは素直に応じてくれた。

御堂さんが私の横にスッと筆を差し出す。

そして私は雅季くんに墨を塗った。

筆の感触に驚いて雅季くんは目を開ける。

「えっ?何、今の?」

私がニコッと笑って筆を見せる。

「…樹々。君って本当に子供っぽいよね。」

「だって、羽根つきに墨はお約束でしょ?」

「じゃあ、君が負けたら、僕が書くよ?」

「ふふっ。いいよ。瞬くーん!私達の番だよ!」



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