Special Project

サッカー部羽根つき大会 風間大翔


残念ながら0勝3敗と負けてしまった風間くん。

戻ってきた風間くんになるべく明るくふるまう私。

「風間くん、お疲れさま。」

負けることが大嫌いな風間くんはやはりイライラしていた。

私の言葉にも返事をしてくれない。

「ねぇ、風間くん。とりあえず顔を洗いに行こうよ。」

「あぁ…」

水飲み場で風間くんが私に尋ねる。

「なぁ樹々、俺、どんな顔になってんだ?」

言い出せなくてオロオロしている私を見て、風間くんがフッと笑う。

「そんなに言えないことになってんのか?じゃあ、写真撮ってくれよ。」

私は仕方なく携帯を出し写真を撮って風間くんに差し出した。

私はビクビクしていた。

絶対風間くんが怒ると思ったからだ。

うつむく私の頭上からは予想外の笑い声が聞こえた。

驚いて顔を上げると、風間くんが笑い転げている。

「ハハハ!何だよ、コレ!超おもしれー!お前、俺の顔見て、よく笑わなかったな!」

「だって、風間くん絶対怒ると思ったから…」

「そーだ!樹々、今から面白いことやるから部室行くぜ。」

二人で部室に行くと、風間くんは自分のロッカーからタオルとマフラーを取り出す。

「樹々、マフラーとメイク道具貸してくれよ。」

「えっ?」

「いいから、早く!」

私達は荷物を持ってみんなの元に戻る。

風間くんは神坂先輩と早乙女先輩と内緒話をしている。

そして3人は何やら準備を始めた。

「よし!これで準備OKだ。後は千葉を捕まえるだけだな。」

早乙女先輩が言った。

私は訳が分からず不思議そうな顔をする。

「樹々にも協力してもらうからね。」

ニッコリ笑って説明する神坂先輩。

「えーっ?!無理です。そんなことしたら怒られますよ!」

「大丈夫だよ。千葉は樹々には怒らないって。」

「さぁ行くぞ!」

早乙女先輩のかけ声にみんな一斉に走る。

こっそり千葉先輩に近づき、他の部員の手も借りて千葉先輩を羽交い締めにする。

「何だ?!」

突然のことにさすがの千葉先輩も慌てている。

5人がかりで押さえつけてるので千葉先輩は動けない。

「樹々、急げ!」

風間くんの声に私は申し訳ないと思いつつ、千葉先輩の前に立ち頭を下げる。

「千葉先輩!すみません!」

約2分後…

千葉先輩を解放する。

「お前ら、どういうつもりだ?鍵谷さんまで…」

「それより、写真撮ろうぜ!」

早乙女先輩の声に私は携帯を取り出す。

逃げようとする千葉先輩を再び羽交い締めにして無事に写真を撮り終えた。



数日後、選手権決勝のベンチに千羽鶴とともに飾られた写真はテレビ中継で全国に放送されて、大反響を呼んだ。

その写真には、タオルとマフラーで鉢巻き、腹巻きがわりにして、バカ○ンのパパの顔みたいに墨を塗られた風間くん。

マフラーを帯がわりにしてバカ○ンの顔みたいに墨を塗られた早乙女先輩。

ハ○メちゃんみたいな墨を塗られた神坂先輩。

そして、私がメイクした千葉先輩はバカ○ンのママみたいになっていた。

この結束力とリラックスして臨めたおかげで選手権優勝を果たした。

こんなに強くて、楽しいチームの一員でいられることに私は幸せを噛みしめたのだった。

総評へ

他の人も選んでみる

千葉先輩
神坂先輩
早乙女先輩

下の 前へ 次へ は無視してください
(システム上表示されるものです)



前へ 次へ しおりを挟む


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -