Special Project

サッカー部羽根つき大会 早乙女大吾


見事に全勝で優勝した早乙女先輩。

もちろん、私も嬉しい。

私は早乙女先輩に声をかけた。

「早乙女先輩!おめでとうございます!すごかったですね。」

「樹々ちゃんが応援してくれたからだよ〜!なぁなぁ、俺、かっこよかった?」

急に聞かれて戸惑ったが私は本音を言った。

「はい。とってもかっこよかったです。」

その瞬間、早乙女先輩にギュッと抱きしめられる。

「せ…先輩?」

早乙女先輩は苦しげに呟く。

「俺さ、あんまりかっこいいとこを見せられなくて悔しい想いをしてたんだ。本当は肝心のサッカーでいいとこ見せたいんだけど…」

早乙女先輩の言葉を遮るように風間くんが早乙女先輩と私を引き離す。

「ちょっ、早乙女先輩!何やってんすか?!」

続けてやって来た神坂先輩が私に向かって微笑んだ。

「樹々、ごめんね。早乙女借りるよ?」

あっという間に神坂先輩と風間くんに引きずられていく早乙女先輩。

私は早乙女先輩の力強い感触にまだドキドキしていた。

遠くから早乙女先輩の叫び声が聞こえる。

「早乙女先輩?!」

私は急いで声のする方へ向かうとそこには…

墨で顔を真っ黒に塗られた早乙女先輩の姿があった。

「えーっ?早乙女先輩!どうしてこんなことに?!」

風間くんが笑って答える。

「樹々に抱きついたバツだよ。」

その瞬間、早乙女先輩が走り出したので私も追いかける。

「はぁはぁ…先輩、走るの早い…どこだろう?……あっ!そっかぁ!」

私は水飲み場へ急ぐ。

すると早乙女先輩が顔を洗っていた。

「先輩、タオルどうぞ。」

早乙女先輩は振り返ろうとしない。

「先輩?」

早乙女先輩は大きくため息をついた。

「俺、ホントかっこ悪いよな。こんな顔、樹々ちゃんに見られたくなかったよ…」

「先輩!こっち向いてください。」

私の少し強い口調に驚いた早乙女先輩は振り返る。

そして私は、早乙女先輩の顔をそっとタオルで拭う。

みるみるうちに早乙女先輩の顔が真っ赤になる。

顔を拭き終えた私は、早乙女先輩に言った。

「私、いつも明るくて、みんなに好かれている、今のままの先輩が好きです。それに私は、いつも先輩のこと、かっこいいと思ってますよ。だから先輩は気にしないでいつも通りでいてください。」

早乙女先輩はびっくりして目を丸くしている。

「えっ?樹々ちゃん、本当に俺のこと…その…す…き……?」

「はい。好きですよ。」

私はニッコリ笑って答える。

「やったー!!!!」

叫びながら私を抱きしめる早乙女先輩。

「樹々ちゃん、ありがとう!俺も大好きだ!」

早乙女先輩の大声を聞きつけた神坂先輩や風間くん達がやって来た。

「あっ!早乙女先輩!また!」

風間くんの声に早乙女先輩は慌てて私から離れる。

「樹々ちゃん、俺、逃げるよ!」

逃げる早乙女先輩も追いかける神坂先輩達もみんな笑顔だった。

そして捕まった早乙女先輩は再び墨を塗られたが、今回は私の大好きな笑顔のままだった。

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