WHITE FLOWERS PAGE.2
インターハイで優勝した日から1ヶ月。
突然、お母さんから一緒に出かけると言われて、着物を着せられる。
「え〜。私なの?お母さん。」
「ごめんね。急に呼ばれたからお弟子さん達に連絡がつかなくて。」
しぶしぶ、準備をして家を出ると、目の前には見たこともないような大きなリムジンが停まっていた。
中から男の人が出てきて、お母さんに挨拶する。
「鍵谷様、お迎えに上がりました。」
「いつもありがとうございます。御堂さん。」
お母さんは慣れた様子で返事をする。
「おや、そちらの方は初めてでいらっしゃいますね。」
ニッコリ微笑んで私の方を見る。
「娘の樹々です。今日は他のお弟子さんが都合つかなくて、娘を連れて来ました。」
私は挨拶をして、頭を下げた。
「鍵谷樹々です。よろしくお願いします。」
「私は西園寺家で執事を務めさせていただいております、御堂要と申します。私の方こそ、よろしくお願いいたします。」
うやうやしくお辞儀をする御堂さん。
「さぁ、西園寺家までご案内いたします。どうぞ、こちらに。」
ドアを開けて、エスコートしてくれる御堂さん。
私は夢の中にいるような気持ちになった。
到着した私達は豪華な装飾が施された応接室に案内された。
(すごい豪華…何か緊張しちゃうよ…)
ソファに座ってる間もソワソワして落ち着かない。
コンコンッ。
「お待たせしました。」
ドアが開いたので、私はそっちの方を見た。
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