Shuichi Saionji

SNOW BLIND PAGE.2


翌朝、目を覚ますと修ちゃんはすでに起きていた。

「修ちゃん、おはよう。」

「おはよう。よく眠れたかな?」

「まだ少し眠い…」

「昨日は遅かったからね。」

修ちゃんが意味あり気に微笑む。

私は昨日の夜のことを思い出して、顔が真っ赤になる。

「本当に樹々はかわいいな。」

修ちゃんがおでこにキスをしてくれた。



朝食を済ませると、修ちゃんに着替えを渡される。

「外は寒いから、ちゃんと着込んで行きましょう。」

着替えて鏡を見ると、どう見てもスキーウェア。

まさかと思いドアを開けて外を見る。

「うわぁ!何これ?!」

いつも見ているような景色とは違い、私は驚きの声をあげる。

そこは一面の銀世界。

見渡す限りの雪景色だった。

「驚いたかな?」

「そりゃ、驚くよ。随分、遠くまで来たんだね。」

「さぁ、目的地まではもう少しですよ。行きましょう。」

ガレージからスノーモービルを出す修ちゃん。

「樹々、後ろに乗って?」

「うん。」

「しっかり掴まるんだよ。」

私が修ちゃんの腰に手を回したのを確認すると修ちゃんはスノーモービルを走らせた。



「樹々、着いたよ。」

修ちゃんに手を貸してもらいスノーモービルから降りる。

目の前には…

大きな一本の木が。

雪が積もっていて本当にクリスマスツリーみたいだ。

「修ちゃん…すごい…綿じゃないよね?」

「ははっ、樹々はおもしろいな。もちろん、本物の雪だよ。」

「修ちゃん、すごく素敵なツリーを見せてくれてありがとう。」

私は修ちゃんにギュッと抱きついた。

「僕達だけの秘密のツリーだ。この先、ずっと一緒にいる限り、毎年見に来よう。」

修ちゃんはフワッと微笑み、私にキスをくれた。

この一面の雪を溶かすかのような熱いキスを…





前へ しおりを挟む


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -