Shuichi Saionji

SNOW BLIND PAGE.1


「樹々さん、少し遠いですが、変わったクリスマスツリーを見に行きませんか?」

修ちゃんとのクリスマスデートは、この言葉から始まった。

「変わったツリー?」

「ええ、とても綺麗ですよ。楽しみにしていてください。」

ワクワクしながら隣の修ちゃんを見つめる。

「それってどこにあるの?」

「内緒です。」

「え〜!ズルい!」

怒ったように頬をぷぅっと膨らませると、そこにチュッとキスされた。

「そんなに拗ねないでください。今ので少しは機嫌が直りましたか?」

「もぉ、修ちゃんったら…」

恥ずかしくなって俯いてしまう。

修ちゃんが今度は唇にキスをする。

少し深い大人のキスだ。

名残惜しそうに唇が離れる。

「…さぁ、行きましょうか。続きは後で。」



「…ん。修…ちゃん?」

いつの間にか眠っていた。

「樹々さん、目が覚めましたか?」

私はソファに寝かされていた。

「修ちゃん、運んでくれたの?起こしてくれれば良かったのに。」

「あんまり気持ちよさそうに眠っていたので、起こせなかったんですよ。」

「ねぇ、修ちゃん。ツリーは?」

「今日は遅いので明日にします。さぁ、食事にしましょう。」



食事が終わり、修ちゃんが私の耳元で囁く。

「樹々、一緒にお風呂入ろうか?」

「修ちゃん…恥ずかしいよ…」

「ふふっ…樹々はかわいいな。あんまりかわいいから、つい困らせたくなる。」

「もぉ、修ちゃんったら…先にお風呂入って。」

「わかったよ。機嫌を損なわれても困るからな。」



修ちゃんがお風呂からあがるのと入れ替わりに私が入り、私があがると修ちゃんはワインを飲んでいた。

「修ちゃん、いつも美味しそうに飲んでるね?そんなに美味しいの?」

「樹々も飲んでみるかい?」

「えっ?いいの?」

「…冗談だよ。でも今日は特別に少しだけ…」

修ちゃんはワインを口に含み、そのまま私に唇を重ねる。

そしてワインがほんの少し私の口の中に流し込まれる。

「修ちゃん…美味しい…」

「もっとあげたいけど、後はこれで我慢して…」

修ちゃんの熱く激しいキスが私に降り注がれる。

その夜、肌を重なり続け、私達が離れることは、一瞬たりともなかった。



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