叫び PAGE.1
君が初めてこの家に来てから、僕は君のことばかり考えていた。
それは今でも変わらない。
でも君には僕の想いが届かない。
君は僕ではない彼のことばかり考えているからだ。
僕がもっと早く、君にこの想いを伝えていたなら、君は僕のことばかりを考えてくれただろうか?
………答えはNoだろう。
君も僕と同じように初めてこの家に来た時から、彼のことばかりを考えていたからだ。
そして、彼もまた僕達と同じで、初めから君のことばかり考えていた。
君達の間に入る隙は1oもなかった。
どれだけ心の中で叫んだだろう。
君が欲しいと。
大切な親友を裏切ってでも君が欲しいと。
でも叶わなかった。
君達は永遠を誓い合った。
それでもなお、叫び続ける僕がいた。
君が欲しいと。
いつまで叫び続けるのだろう?
明日なのか?
5年後なのか?
それとも永遠なのか?
僕は気が狂いそうになる。
いや、もしかしたらもう狂っているのかもしれない。
わからない…
あれからどれくらいの時が流れただろう。
ずっと叫び続けた。
君が欲しいと。
僕の想いが…
僕の叫びがようやく届いた。
僕は君を手に入れた。
君の一部を…
君と親友の愛の証しを…
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