Shuichi Saionji

あなたのすべて PAGE.2


照明の落とされた部屋。

テーブルにはキャンドルが灯されていた。

そこには僕の誕生花であるパンジーがたくさん飾られている。

そしてメモが…

まだあったのか。

苦笑しながら読む。

『修一お兄ちゃん、誕生日おめでとう!プレゼントが奥にあります。キャンドルを持って探してね。』

僕はキャンドルを手に部屋の奥へと進む。

ほんの少し明るくなった部屋に見えてきたものは…



真っ白なドレスに身を包んだ樹々だった。

「樹々…」

「修ちゃん、お誕生日おめでとう…プレゼント受け取ってくれる?」

僕は持っていたキャンドルを置いた。

樹々が一歩一歩近づいてくる。

そして僕の目の前で止まり、見上げる。

「修ちゃん…」

樹々は小さな腕で僕の体をギュッと抱きしめた。

「樹々…ありがとう。」



この夜、僕は今までで一番嬉しいプレゼントをもらった。

今夜のことはいつまでも忘れない。

ありがとう。

愛してるよ、樹々…



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