17歳のバースデー PAGE.1
今日は私の17歳の誕生日。
なのに私の心は沈んだまま。
家族でお祝いのパーティを開いてくれたのだが、肝心のあの人は…
こんな日に限って仕事が終わらない。
御堂さんから聞いた時はショックを受けた。
まぁ…仕事だもんね。仕方ないよ…
頭の中ではわかっているけど、心はついてこない。
パーティが終わり、晴れない気分のまま部屋へ戻る。
お風呂にも入り、後は寝るだけ…
なのに修ちゃんは帰って来ない。
ベッドに入り、横になる。
忙しいのはわかってる。
でも今日は…
考えれば考えるほど、悲しくなり涙がこぼれる。
(寂しいよ、修ちゃん…)
私は泣きながら眠りについた。
翌朝、目を覚ますと隣には修ちゃんが眠っていた。
無防備な修ちゃんの寝顔に思わず笑みがこぼれる。
(ふふっ。修ちゃんかわいいな…)
修ちゃんの頬に触れようとした時、私の左手に指輪がはまっていた。
「えっ?いつの間に?」
驚いて小声で呟いた私を修ちゃんが抱き寄せる。
「昨日の夜、樹々が寝てからだよ。」
「修ちゃん…」
「樹々、寂しい想いをさせてごめんね。昨日、帰ってすぐにここに来たんだけど、樹々はもう寝てて…でもどうしても誕生日の日にプレゼントしたかったから僕がはめたんだ。」
「修ちゃん、ありがとう!」
私は修ちゃんの首に腕をからませ抱きついた。
「樹々、僕を許してくれるかい?」
「もちろんだよ、修ちゃん。寝る時は寂しかったけど、朝起きたら修ちゃんが隣にいてくれて嬉しかった。」
少し意地悪く上目遣いで修ちゃんを見つめる。
「それに…修ちゃんのかわいい寝顔も見られたからね。」
「…大人をからかうもんじゃありません。」
修ちゃんは照れを隠すように私の唇にキスをする。
「樹々、遅くなったけど、誕生日おめでとう。17歳の君のすべてを僕の心に焼きつけていきたい。」
私は修ちゃんの言葉に恥ずかしくなったけど素直に頷いた。
「愛してるよ、樹々…」
「修ちゃん、私も…」
熱く激しいキスを交わす。
お互いの心に焼きつけるようにいつまでもいつまでも…
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