WHITE FLOWERS PAGE.7
翌日、いつも通り、修一さんへのお稽古のため、西園寺家へ向かった。
いつもと違うのは、私がお花を用意したということ。
普段は西園寺家の庭にあるお花を使っている。
でも今日だけは、この花を使わないといけないから…
いつも通り、和室にとおされた私は、早速活け始めた。
(修一さんが来るまでに…)
本当に活け花って心が表れる。
見るからに悲しげだ。
「樹々さん、お待たせしました。」
いつもの穏やかな声とともに修一さんが部屋に入ってくる。
私と花を見比べて、驚いていた。
「これは、どういうことですか?」
「…見た通りです。」
「なぜです?ちゃんと理由を話してください。」
「…昨日、修一さんが女の子と一緒にいるのを見ました。とてもお似合いで…私なんかじゃ修一さんにはふさわしくないです。」
「樹々、幸せだって言ってくれたじゃないか!?」
「…これ以上、修一さんと一緒にいるともっともっと好きになって離れられなくなってしまう。今なら、まだ耐えられそうだから…」
修一さんは私の腕を掴み、部屋を出て庭へ連れ出し、咲いていた一輪の花を私に差し出した。
「樹々、これを君に…」
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「修一さん…」
「僕にふさわしいかどうかは僕が決めることだ。だから、僕は君を離さない…」
修一さんに強く強く抱きしめられた。
「…本当に私でいいの?」
「樹々、君しかダメなんだ。愛してる…」
私の言葉は声にならなかった。
修一さんの唇にふさがれて…
後で聞いた。
昨日、一緒にいた人は妹だって…
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