Shuichi Saionji

WHITE FLOWERS PAGE.6


花畑でお花を探すと、すぐに見つかり、修一さんとは別々の部屋で活けることにした。

活け終わってリビングへ行くと、すでに修一さんは待っていた。

「終わった?じゃ、僕のから。」

修一さんが選んだのは、桃の花。

「意味は分かるかい?」



「うん…何だか、恥ずかしいな…でも嬉しい。」

「樹々のも見せて?」

私が選んだのは、黄色のヒヤシンス。

「修一さん、分かるよね…?」



「もちろん。嬉しいよ。ありがとう。」

ギュッと抱きしめられ、キスをされた。

今度はさっきと違って、深く激しいキス…

「樹々…僕は本当に君のとりこだ…」

「修一さん…あなたとなら幸せ…」





私達が恋人同士になって1ヶ月。

お母さんに頼まれ、街に花を買いに行った。

買い物を終えて、帰ろうとした時のこと。

修一さんが近くのお店から出てくるのを見かけた。

声をかけようとした瞬間、中からかわいい女の子も一緒に出てきた。

私は咄嗟に隠れ、様子を伺うと、二人は車に乗り込み、去って行った。

とてもかわいい女の子で見るからに良家のお嬢様。

(お似合いだったな…やっぱり修一さんにはお嬢様がふさわしいよね…)

気が付くと涙がポロポロこぼれて、どうすることもできずに立ち尽くしていた。



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季節の花 300



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