Kaname Midou

17歳のバースデー PAGE.1


今日は私の17歳の誕生日。

なのに私の心は沈んだまま。

家族でお祝いのパーティを開いてくれたのだが、肝心のあの人は…

執事の顔ではお祝いを言ってくれたけど恋人としては言ってくれない。

頭の中ではわかっているけど、心はついてこない。

パーティが終わり、晴れない気分のまま部屋へ戻る。

テーブルには部屋を出る時にはなかった花とカードが置いてある。

(えっ?まさか…!)

私は急いでカードを開く。

『樹々へ

17歳の誕生日、おめでとう。

今度の休みの日、どこかへ出かけよう。

クローゼットに服を用意してあるから、着てくれれば嬉しいな…

楽しみにしているよ。

樹々、愛してる。

御堂要』

クローゼットを開けると御堂さんが用意してくれた服が掛けてあった。

「わぁ…かわいい!」

さっきまでの気分は完全に吹き飛んだ。

嬉しくて、早速着替えてみる。

するとハンガーにネックレスがかけられていた。

「わぁ…ガーネットだ!」

御堂さんが選んでくれた服にピッタリのデザイン。

(御堂さんに会いたい!)

私の想いが通じたのか。

控えめなノックの音が聞こえた。

「御堂です。お嬢様、起きていらっしゃいますか?」

私は静かにドアを開けた。

「どうぞ、入って。」

御堂さんは私の格好に気づき、ほんのり顔を赤らめる。

「御堂さんにどうしてもお礼が言いたかったの。素敵なプレゼントありがとう!」

私は御堂さんに抱きついた。

「樹々、お誕生日おめでとう。遅くなって悪かったね。」

御堂さんはギュッと抱きしめてくれた。

「さぁ、今日はもうおやすみなさい。眠るまで私がついているから。」

私はパジャマに着替え、ベッドに入る。

御堂さんは私の手をそっと握り、おでこにキスをしてくれた。

「17歳の一年が素敵なものになるように…愛してるよ、樹々…」

「ありがとう、御堂さん。私も愛してる…」

御堂さんの言葉と柔らかいキス…

御堂さんの愛を感じながら私は穏やかな眠りについたのだった。



前へ しおりを挟む


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -