Kaname Midou

陽射しの中で PAGE.3


朝。

俺は樹々の部屋へ向かった。

控えめなノックをするが反応はない。

俺は合鍵を使い、部屋へと入る。

まだ薄暗い寝室には樹々が気持ちよさそうに眠っていた。

カーテンを開けると眩しいほどの朝日が差し込む。

俺はベッドの横に座り、樹々の顔を見つめる。

すると眩しそうな顔をしながら目を開けた。

「…御堂さん?」

「おはよう、樹々。」

俺は樹々のおでこに軽くキスをした。

「起こしに来てくれたの?」

「それもあるけど、君にお礼が言いたくて。素敵なプレゼントをありがとう。」

そう言って俺は携帯電話に付けたストラップをかざした。

「あっ、もう付けてくれたの?嬉しい。」

「もちろんだよ。ところでこれ…セミ・バロック・パールだよね。どうしてこれを?」

樹々はニッコリ笑う。

「9月2日の誕生石なんだよ。」

「9月がサファイアだってのは知っていたけど、これは知らなかったよ。どんな意味があるのかな?」

樹々が真剣な表情になる。

「御堂さん…『勝ち取る愛』だよ。」

その言葉に俺は衝撃を受けた。

「樹々…それが俺の宿命ならば…」

俺は樹々の頬を両手で包み込む。

「君との出会い、君への想い…すべては導かれていたものだったんだね…」

そして唇を重ねる。

「樹々…約束するよ。たとえどんなことがあっても君を離さない…愛してるよ。」

「御堂さん…私も…」


眩い陽射しはまるで二人を祝福するかのようにキラキラと輝いていたのだった。



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