WHITE FLOWERS PAGE.7
「御堂さん。私、知りたい。御堂さんの口から聞きたい。」
お嬢様は立ち上がり、修一様と私の手を引っ張り、リビングから出ようとした。
そして首だけクルッと後ろに向けて他のご兄弟達におっしゃった。
「みんなは自分達で調べてね。」
ペロッと舌を出して、笑うお嬢様。
私達3人はリビングを後にして、修一様の部屋へ向かった。
「要くん、これです。後は二人で調べてください。僕は邪魔しませんから。」
私の肩をポンと叩く修一様。
「では、お借りします。」
お嬢様の部屋で本を開く。
「お嬢様、私が先に見させてもらってもよろしいでしょうか?」
「うん。私、御堂さんから聞きたいから…」
本をパラパラとめくり、イカリソウのページを探す。
「……………」
花言葉を見た私は驚いた。
「ねっ、御堂さん。何て書いてあるの?教えて?」
「二つございます。まず『あなたをつかまえる』。これはお嬢様が湖に落ちて見つけた時に私が思った気持ちです。」
「もう一つは?」
私は大きく深呼吸をしてお嬢様の前に立つ。
「お嬢様、お立ちいただけますか?」
お嬢様が立ち上がった。
「もう一つは…『君を離さない』。」
私はお嬢様を強く抱きしめた。
「これは私の本心です…」
「御堂さん…離さないで…」
「お嬢様…いつまでも離しません…」
熱いキスを交わす脳裏にはイカリソウの花畑がどこまでも広がっていた。
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