Kaname Midou

バレンタインの決意 PAGE.4


あれからどのくらい経ったのだろう…

目が覚めると病院のベッドに横たわっていた。

今、何日なんだろう?

携帯を見つけ画面を見る。

(火曜日のお昼すぎか…2日近く眠ってたんだ。あれ…?)

体をあちこち触ってみるが大した痛みや傷はない。

立ってみると普通に歩くこともできた。

(確かに車は突っ込んできたような…私はどうして助かったの?)

私は部屋を抜け出し廊下を歩く。

(あっ…!)

面会謝絶のプレートがかかった病室。

その扉をそっと開け、中を覗く。

誰もいないのを確かめ、病室に入り、ベッドへ近づく。

(ごめんなさい……御堂さん…)

ベッドに横たわる御堂さんの痛々しい姿に私の瞳からは涙が溢れる。

(私のせいだ。あの時逃げ出さなければ…)

後悔ばかりが押し寄せる。

私は御堂さんの手をそっと握る。

エスコートされる時に触れる御堂さんの手はいつも優しく温かい。

今はその温もりが感じられない。

(お願い…御堂さん…目を開けて…)

優しい瞳は閉じられたまま…

考えてみれば、いつも御堂さんの優しさに包まれていたような気がする。

初めて西園寺家に来た時からずっと傍にいてくれた。

辛い時には私の話をたくさん聞いてくれた。

私を不安にさせないようにいつも笑顔でいてくれた。

(失いたくない!御堂さんがいないと、私…)

この日、私は決意した。

いつの日かこの想いを伝えようと。

だからどうか優しい瞳を開けて?

御堂さん…



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