バレンタインの決意 PAGE.3
私達のほんの数メートル先には、修一お兄ちゃんと女の人がいた。
みんなも私の視線の先にいる二人に気付くとそれまでの笑顔が消えた。
私は衝動的に後ろに向いてその場から逃げるように走った。
みんなが私の名前を口々に叫ぶが私の足は止まることはなかった。
修一お兄ちゃんと一緒にいた女の人はお兄ちゃんと同じ社会の先生だ。
二人がどういう関係なのかなんて分からない。
でもこんな日に二人でいるなんて…
頭の中を二人の姿がぐるぐると駆けめぐる。
大きなクラクションの音で我に返り、横を見ると私に向かって車が突っ込んできた。
逃げなければ…
でも足が動かない。
もう…ダメだ…
そう思った瞬間、私は意識をなくした。
前へ 次へ しおりを挟む
|
|