Kaname Midou

バレンタインの決意 PAGE.2


気晴らしに行くことになった私達が向かったのはボウリング場。

「私、ボウリングしたことないんだけど、みんなは?」

みんな一斉に首を横に振る。

(んー。誰もやったことないんじゃダメかな?)

私が困っていると御堂さんが優しく微笑んでくれた。

「では、プロの方を手配致しますので少しお待ちください。」

30分後。

ボウリング協会の会長をはじめ数人のトッププロがやって来た。

(さすが、御堂さん。やることが違うなぁ…)

せっかくだからとボールとシューズを購入した。

準備も整い、早速教えてもらうことに。

マンツーマンでプロに教えてもらったおかげか運動の苦手な私ですら、そこそこのスコアを出すことができた。

ましてや、運動神経のいい雅弥くんなんて初心者にもかかわらず、スコアが200以上!

会長さんからしきりにプロを目指さないかと誘われていた。

まぁ…もちろん雅弥くんにその気はまったくないんだけどね。

ボウリングを満喫した私達が次にやって来たのはゲームセンター。

私が真っ先に向かったのは『もぐら叩き』のゲーム。モヤモヤする時はこれに限る。

私はもぐらを一つ叩くごとに心の中で叫ぶ。

(修一お兄ちゃんのバカ!)

「樹々、お前すげーな!」

雅弥くんが感心している。

「エヘヘ、そうかな?」

「お前もそう思うだろ?雅季?」

「まぁね。樹々、叩く時、修一兄さんのこと考えてた?」

雅季くんの鋭い質問に返事ができない。

「その顔は…図星だね。」

「もぉー、雅季くんったら!」

その後、いろいろとゲームを楽しみ、帰ることになった。

「今日は楽しかった!みんなありがとう!」

街中を歩きながらみんなにお礼を言った。

「樹々ちゃんが喜んでくれて嬉しいよ。」

裕次お兄ちゃんが私にウインクしながら言ってくれた。

私は笑顔のまま、視線を裕次お兄ちゃんから前に戻す。

その瞬間、私の笑顔は凍りついた…



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