仙台駅〜青森駅A

洞内バス停から、僕はバスに乗り込み、座席に腰をおろし、窓にもたれるようにしながら、流れる外の景色を見ていた。
バスに揺られながら、もうすぐ最終目的地の青森駅に着くんだなぁ〜と思うとドキドキしてきました。

1時間ぐらいして青森駅に到着しました。
バスのステップを降り、僕は一歩足を地面に着けた。
夢にまで見たゴールの瞬間であった。
ところが、本来なら感動の第一歩だったはずなのに、不思議なことにこの時はまだ目的を達成した実感がまったくありませんでした。
これがテレビだったら、垂れ幕に紙テープとか用意されていて……そうしたら今よりももっと実感が湧いてきて、僕は感動の涙を流したりして……。
そんなつまらないことを考えながら、予約してあったホテルへ向かいました。

その夜、ホテルの部屋で、ホームページのリアルタイム報告と配信していたメールマガジンを読み返しているうちに、どんどん実感が湧いてきました。
それに拍車をかけるかのように、友達からの「おめでとう」のメールを何件がいただいて、更に実感が倍増した。
約2週間かけて、本当に僕は東京から青森まで来たんだ!と強く実感し、達成感を味わいました。
炎天下の中、大雨の中、長距離を徒歩で移動したこと、福島の山の中で迷ったこと等、たくさんの思い出が蘇ります。
最初の頃は、まさか本当に青森まで行けるなんて、自分でも半信半疑でしたし、何度もリタイアして家に帰りたいと思ったこともあった。
歩き疲れて、駅に来る度に電車に乗りたい衝動にかられることも毎回のようにあった。
でも我慢して電車には乗らなかった。
あの時、自分の気持ちに負けなくて本当に良かったと思う。
逆に負けていたら今頃どうなっていたのだろうか?と思うと、ちょっと怖い気もします。

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