少年軍人
Mission5 状況を確認しよう


「議題、これからどうするか。何を目標として生き残るのかを決める為に、まずは解決するべき問題を挙げろ」
「まずは現在地の把握。これに尽きるだろ」
「だねぇ…生態系とかどうなってんの?」
「トシキ、報告」
「ああ。えー、死体の検死結果、提出された生物と俺が遭遇した生物の解剖結果、俺が回収した何らかの生物の卵の検査結果、ここの環境についてをざっくり報告するからよーく聞いとけ」
「ざっくりかよ」
「…まず死体。顔立ちはゲルマン系っぽかったが、それにしては体付きと肌の色がおかしかったな。ありゃどの人種にも当て嵌まらねぇぞ」
「は?」
「どういう事だ?」
「次、ケイとウサが獲ってきた虎っぽい生物はまあ、虎だった。多分遺伝子レベルで調べれば違いがわかるんだろうが、んな時間も設備もないんで省略。で、マツキが持って来た猪は猪だったし、俺が解剖したのもでけぇトカゲだった。どっちも遺伝子レベルで以下略。ちなみにどれも火を通せば食える」
「食えるのか!」
「いきなりテンション上がったなカイジ」
「卵は若干毒物を含んでいたが、まあ『俺ら』なら問題ない程度だ。食おうと思えば食える」
「!!」
「はいはい、落ち着いて」
「歩きながら植物も採ったが、見事にどれも記録にねぇもんばっかだった」
「…一個も該当しなかったのか?」
「ああ。念の為ヒロキにも確認したが、一つもなかった。似てるのはちょくちょくあったが、完璧に該当するものはなかった」
「んなアホな!」
「ヒロキ、本当?」
「間違いない」
「そんな…!」
「雰囲気は亜熱帯だが、この島は空気中の酸素がやけに濃いし、記録にないもんばっか生息してる。あと、下から薄ら磁気を感じるんだよな…多分磁場だここ。ぶっちゃけ気を抜くと方向感覚が狂う」
「え」
「マジで?」
「大丈夫なのかそれ」
「ああ、トシキはそういうの僕らより弱いんだよ。方向感覚は弱いし、位置の把握も苦手だし、筋力もないし…。まあ、その分開発部の中でもダントツに解析特化なわけだけど」
「そっかー」
「…さりげなく貶された気がするのは気のせいか?」
「気のせいだよきっと」
「気にするな、報告を続けろ」
「…。まあ良い。それで、俺とチョーカンとヒロキで話し合った結論だが…、…」
「…何だ?」
「はっきり言えよ」
「…環境っつう観点から見ると、ほぼ確実に」
「確実に…?」
「確実に、…ここは、地球じゃない」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…はあ!?」



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