わんぴーす
今更だが


「ニア、今日は君の身体検査をする」

それは何だ、という目をして首を傾げるニアは、今日も水着姿である。



話は先週まで遡る。
クザンとの鬼ごっこで海へ飛び出し遠くのとある島へと泳いで行ったニアが、偶然遭遇した賞金首を捕まえて来た日があった。
その時何かがあったようで、それ以来ニアは色んな所で「もくもくといっしょにかいへいする」と言って回っているのだ。
正直意味はまったくわからないが、とりあえずニアが海兵になりたがっている事に皆喜んだ。勢いあまって雑用の制服をニアにぴったりのサイズで特注するのはどうかと思ったが。
というかニアは服を着たがらないので意味がないのだが、嬉々として制服を用意したのが自分より上の立場でしかも大変お世話になっている方なので、まあ、それは言えなかった。
閑話休題。
ニアが海兵になりたがっているのを知った上層部は、言うまでもなく賛成してくれた。
あの海の力が将来海軍にとって欠かせない大きな戦力になることを確信して、あと数年したらニアも本格的に訓練を始めさせる事も決定された。
しかし問題がひとつ。
その『大きな戦力』になるであろう海の力。あれが一体何なのか、未だ解明されていないのである。
これは結構大切な事だ。未知の力であるからこそ、危険である。
悪魔の実の能力なのか、もしくは偶然生まれつきそういった能力を持っていたのか、それともそういう種族が存在するのか。
二つ目の理由であるならまだいい。ニア一人を『保護』すれば済む。
しかし、一つ目の理由であった場合は恐らくその存在は秘匿され、ニアが死なないように、またニアの死後その実が海賊の手に渡らない様躍起になるだろうし、三つ目の理由であった場合など、その種族を探し出し研究し、下手をすれば壊滅しかねない。
正直言って私は二つ目である事を願っているが、それは調べてみなくてはわからない。


という事で、私からすれば今更だが、急遽ニアの身体検査を行う事になった。


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