わんぴーすだよねェ〜
手錠の残骸を片手に、はあ、とため息が零れるのを堪えきれなかった。
「…まさか、海楼石まで食べるとは…」
友人兼上司と話していた隙に懐の手錠をスられていたらしく、突然聞こえた、がりょ、がり、という音に振り向くと、ニアが海楼石の手錠を頬張っていたのだ。
「おいしかった」
「…そうか…」
「ダイヤモンド並に硬い石を噛み砕くとはねェ〜…」
ジャケットの内ポケットを確認すると、持っていた手錠は全て食べられてしまったらしい。
後で発注しなくてはならないな、と、再びため息を一つ。
「…ど〜なってるんだろうねェ〜その子〜」
「調べてわかる類だったら僥倖、といったところか…」
「だよねェ〜…」
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