わんぴーす
どういう仕組み?


「何、それ?」
「あさごはん」
「…ブラン、」
「ニアの朝食だ」

盥いっぱいの海水は、先程汲んで来て貰ったばかりのものだ。
そこに、切った野菜やら果物やらが沈んでいて、ニアはその海水を『具』ごと何時かの様に手で掬って『食べて』いる。
何か言いたげな同期を隣に座らせ、私は自分の朝食であるサンドイッチに手をつけた。

「…どういう仕組み?」
「知らん。本人曰く、あらゆる食べ物の中で、海が一番美味しいらしい」
「…海って食べ物じゃなくない?」
「ニアにとっては食べ物なんだろう」

お前達にとっては天敵だろうが、と皮肉を付け足せば、彼は肩をすくめて小さく笑う。

「おかわり」
「…早くない?」
「いや、これでもかなりゆっくりな方だ」
「え?どこが…」
「西の海にいた頃は、海から直接飲み込んでいた…と言ったら?」

空の盥を持ち上げながらにやりと笑って見せれば、男は今度こそ言葉を失っていた。


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