わんぴーす
それわしもやりたい


海軍本部、マリンフォード。
ニアは何時もと同じ水着姿で、靴は履かず、裸足で私の隣に立っていた。
周りの将校達の視線が背中に刺さるが、ニアが服を着るのを嫌がるのだから仕方ない。無理矢理着せようとしたら破かれて、もう代えが無いのだ。

「…この子が、報告にあった海の子かい?」
「はい。…ニア」
「ん?」
「わっ」

ニアが此方を向いた瞬間、目の前で手を叩く。
すると、驚いたらしいニアは、目を固く閉じて両手を此方に翳した。
瞬間、手の平から勢い良く飛び出す、水。
ばしゃあん、と大きな音を立てたそれが、一瞬で私をびしょ濡れにした。

「びっくりした…」
「…と、いう事で」

室内に広がる潮の香りが、ニアが出した水が海水だと告げている。
将校達は言葉を失っているらしかった。
ガープさんだけは目を輝かせていたが。

「それわしもやりたいぞ!!」
「!?」

唐突な大声に驚いたらしいニアが咄嗟に海水を放出した先には、ガープさんとセンゴクさん。
二人とも一瞬でびしょ濡れになり、ガープさんは大喜びだが、巻き添えを食らったセンゴクさんは額に血管を浮かべている。

「塩っぺ!!本当に海じゃな!」
「ガープ…!!私を巻き込むな…!!」

騒がしくなりそうだったので、報告書だけ提出してさっさと退室した。
閉めた扉の向こうから怒鳴り声や笑い声が聞こえる度に、驚いたニアが海水を出すものだから、私達が通った後は水浸しになってしまっていた。


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