わんぴーす
人間ではない。


ニアは一体何者なのか。

拾ってから半年経つが、その正体は謎のままだ。
海を喰らい、天候を読み。
体調を崩すと海水を吐き、時には指先や手の平、足からも海水を出す。
更に、強い感情を表す時には、瞳孔が爬虫類の様に縦長になったり、爪が鋭く尖ったり、牙が伸びたり、肌に鱗が浮かんだり、角が伸びたりする。
――確実に、人間ではない。
だが、人魚や魚人でもない、と思われる。特徴が合わなさ過ぎる。
ならば何なのか。


「ぶらん」
「ん?どうした?」
「しんぶんと、てがみ。きた」
「ああ、ありが…、…どうして、今来たばかりの新聞がこんなにびしょ濡れなんだ?」
「かおにおとされた、から、びっくりしてみずでた」
「…そうか」

恐らく、海を操る力を持っているのだと思われる。
という事は、悪魔の実の能力者にとっての天敵になりうる(かもしれない)。
海軍上層部には能力者も多い。もしこの力が海賊や革命軍に渡れば、相当な脅威になるに違いない(と思われる)。

「…ニア」
「なに」
「…海に出るか。グランドラインを、赤い大陸の向こうの海を、食べさせてあげようか」
「!」

少しインクの滲んだ、異動の辞令。異動先の文字を眺めながら、目を輝かせるニアの頭をそっと撫でた。



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