たいようのかけら
予測不能な化学反応


(主人公の班の顔合わせの話。会話のみ)



「第六班の班長で君達の担当上忍の、並木うえおです。好きなものはお酒と塩っぱい系のおつまみ、苦手なものはきゅうりと某先輩かな。よろしくね!」

「霧桐椋。趣味は緑化活動で、日課は光合成。あ、覆面は気にしないでくれるとありがたいな」

「俺は彼人尋行。目標は今年中に自力で姉さんの彼氏を殺すこと。特に結婚は全力で阻止する所存だ」

「縞洲しまじ、座右の銘は『男尊女卑』、特技は殺人だよ!髭をはやしたおっさんが好きだよ!今年の目標は、今の彼氏と同棲まで持ち込むことだよ!」

「…」

「…」

「…」

「…何か…あれだね。この班、皆キャラ濃いね…」

「そうか?」

「だって、不思議ちゃん系覆面っ子に、行き過ぎたシスコンの女顔男子に、いろいろ危なそうなハイテンションホモォ男子って…消化不良起こしそうな濃さだよ」

「女顔言うな!」

「そういう先生はすごくモブ顔だね!民衆に紛れやすそうで忍的には羨ましいスキルだよ!僕ちゃんはほら、華々しい顔してるから目立っちゃってそうはいかないんだよ!」

「しまじ君、それは先生のことを馬鹿にしてるのかな?」

「とんでもないよ!素直に羨んでるよ!平凡フェイスの割に身体つきががっしりしてるところとか、男の人にモテそうなスペック凄く羨ましいよ!」

「…」

「その辺にしといてやれよ縞洲…」

「え?僕ちゃん何かまずいこと言ったかな?」

「いや、お前が褒めても基本的に逆効果だって気付けよ。ステータスに精神汚染の項目がある奴は何してもダメージしか与えらんねーからな」

「そっ、そうだそうだ!平凡顔とかさりげなく貶されたし!」

「ええっ彼人ちゃんも先生もひどいよ!精神汚染だなんて、こんなに純真可憐な僕ちゃんに何て言い種だよ!」

「はあ?」

「真顔やめてよ!」

「はあ?」

「2回も!?ねえ、霧桐ちゃんもなんとか言っ――」

「…ぐぅ」

「寝てる!?」

「さっきから静かだと思ったら…」

「霧桐ちゃーん!!」




「――…ってわけで椋ちゃん寝ちゃったので、担当上忍の僕が送って来ました」

「あー…」

「これ、明日の認定試験の連絡をプリントにしたので、渡しておいてください」

「ッス。…椋が迷惑かけたみたいで。すんません」

「ああ、いや、良いんですよ。椋ちゃんは寧ろ、うちの班じゃ癒しですから…」



(…そういや、尋行としまじが班員なんだったか。あの上忍、御愁傷様だな…)

(すぴー…)


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