たいようのかけら
超小規模ほ−むるーむ


(三人で合格おめでとうの会in甘味処。原作キャラは出てきません)


「あ、そうだ。先に言っとく」

団子の串を持ったまま机に肘をついて、尋行はのんびりと言った。

「ぶっちゃけ俺、里の上役に監視されてんだわ。んで、行動とかに色々制限かけられてたりすっけど、まあ気にしなくて良いから」

その言葉に、椋としまじはきょと、とまばたきをして、顔を見合わせる(片方は覆面だが)。
そして、何事も無かったかのように新たな団子を頬張り始める尋行に、今度はしまじが口を開いた。

「実は、僕ちゃんも監視されてるんだよ」

尋行が動きを止め、串を咥えたまましまじを見る。

「僕ちゃんの場合、任務外の時間は殆どずっと監視がついてるよ。もちろん今もいるよ」

天井を指して告げるしまじに、椋があんみつを食べていた手を止めて天井を見上げた。
尋行はげ、と顔をしかめてうんざりした様子で口を開く。

「マジで?便所とか風呂も見られてんのかそれ?」
「そうだよー」
「うわあ…同情するわ」
「でも、そういうプレイだと思っちゃえば四六時中の視線がクセになるよ!」
「マジで同情する。監視役の人超ドンマイ」
「えっ僕ちゃんじゃなくて?」

天井に向かって拝むような仕草を見せる尋行に、しまじはむ、と頬を膨らませる。
そうして漫才めいた会話を繰り広げる二人に、天井を見上げていた椋がふと声をかけた。

「ねえ」
「あ?」
「何?」

途端ぴたり、と停止して向き直る二人に、椋は内心感心しながら話を続ける。

「私は監視とかは無いんだけど…ちょっとした組織?に狙われてるらしいんだよね。刺客とかも来るかもしれないって言われてるんだ。迷惑かけるかも」
「霧桐は外からか…」
「霧桐ちゃんも大変だねー」
「二人ほどじゃないよ」

尋行は新しい団子に手を伸ばし、しまじは大福を頬張り、椋はあんみつを口に運ぶ。
――暫しの沈黙。
三人同時に茶を飲み干し、ふう、と息をつくと、三人はそれぞれ顔を見合わせ、へらり、と力の抜けたような笑みを浮かべた。

「…全員ワケありか」
「班員の構成に大人の事情が垣間見えるね」
「先生は苦労するだろうね!」
「「あー…」」


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