花宮ちゃん愉快犯

「何考えてんだよ木吉」
「いやー強いなあいつ」
「じゃなくて!!あんた外れてどーすんのよ!?」
「しょうがねえだろ。ブランクなんて言い訳になんねえし、これが実力だ」
「『実力だ』じゃねーよ。ボケ過ぎだ、足元見ろ!練習中から何か変だと思ったんだよ。お前それ上履きじゃねーか、ダアホ!」
「「「えええ!?そんな動きづらいので!?」」」
「ったく…まさかわざと負けたんじゃねーだろーな」
「…いっけね!」
「素かよ!!」
「っもう!」


実に賑やかである。そしてとても居心地が良い。
皆のやり取りを少し離れた所から眺めていると、木吉に怒鳴っていた日向が、突然此方を振り向いた。
びし、と私を指さして、その場から大声を上げる日向に、一年の三人組がびく、と肩を揺らす。

「つーか花宮!お前気付いてただろ!」
「え、そうなのか誠?」

怒鳴る様に告げられた言葉に、木吉がきょと、と首を傾げる。

「当たり前でしょ。一緒に来たんだからそれ位見てるって」
「あぁ、そっか」
「いや言えよ!!じゃあ!!」
「面白そうだったからついほっといてた。はなぺろ☆」

少し舌を出してウインクすると、小金井と土田が吹き出し、一年達が目を丸くした。
額に血管が浮き出た日向は伊月と水戸部が押さえてくれたので、後で礼を言う事にする。

「何だあれすげえ腹立つ!!」
「はは、かわいいよなあ、あれ。爺ちゃん婆ちゃん達にも大ウケだったんだぜ」
「知らねーよ!!」

余談だが、同じ部屋だった南澤のおばあちゃんは、私の指導で見事な『みなぺろ☆』を会得し、孫に大ウケで喜んでいた。おばあちゃん可愛かった。

「ちなみに俺も『きよぺろ☆』が出来るぞ!」
「心の底からどうでも良いわ!!」



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(あれで木吉が勝ってたら余計こじれるだろうが、バァカ)



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