ドMな犬と七武海 +

痛みのみならず、苦しみ・悲しみ・恐怖・憎悪等々の負の感情すら快感として受け入れる恐ろしい変態(変態ってレベルじゃないけど)が犬に生まれ変わって、路地裏うろついたり他の野良犬と縄張り争いしたりしつつ過酷な環境で生きる。
でもドM(?)だから「生きるの辛過ぎて楽しい」とか思ってる。たまに町に出て「この犬畜生が!」「きったねぇ犬!」って蹴られたり石投げられたりして楽しんだりするから最早ただのバカかもしれない。

ある日、いつもの様に石を投げつけられて楽しんだ後に路地裏で昼寝をしていると、見知らぬ男が目の前に立って犬を見下ろしていて、「…汚ぇ犬だな」と上から降って来た声に「これは…暴力フラグキタ…!?(そわっ)」と顔を上げて尻尾を振る犬。ゴミを見る様な目にゾクゾクしますハァハァ、とか思いながら、目の前の男をじっと見つめる。(この時男から見た犬はいわゆる子犬の様な瞳ってやつで、尻尾を振っていたのもあってものすごく可愛らしく見えたというのには犬は気付いていない)
男が身に纏う衣服や装飾品は見るからに上等で、この辺りの人間じゃなさそうだと推察する犬。さあ、蹴りでも殴打でもバッチコイ!と期待の目で見ていたら、何故か男に抱えられてお持ち帰りされました。(犬は石投げられた直後なので身体が傷だらけでどう見ても弱い存在にしか見えず庇護欲を掻き立てられたというのは男の秘密である)
犬が「あれ!?何で!?あそこは蹴り入れられる流れだろ!?」と困惑している内に、船に乗せられて島から出航。どうしてこうなった!しばらくの航海(この間に怪我は治る)の後、どこかの島、アジトっぽい場所に到着。
着くなり男に投げ捨てられる犬。やっと暴力!と思ったら目の前には黒髪の美女。

「こいつを見れる様にしろ」
「あら、拾い物?珍しい事もあるものね」
「うるせェ…さっさとしろ」
「ふふ、わかったわ」

というわけで、犬を拾ったのはクロコボーイでした。あの鰐さんに庇護欲なんてもんがあんのかは知らないけどねひーはー!
犬はそのまま黒髪美女の不思議能力で運ばれて「何だこの美女めっちゃ腕生えるんですけど」とか思いながらスタッフに洗われて小綺麗にされる。毛がふっかふかになったところに首輪をはめられてリード繋がれる。
「首輪…という事は飼われるのか俺!おお…野良の過酷さも良いが、『飼われる』ってのもまたたまらんよな…!」安定の変態。そして犬は七武海のペットになったのであった…。

でも凄く整った環境でわりと普通に可愛がられてるうちに虐げられたくなってくる犬。バナナワニの水槽に入って鰐とバトルしようとしたら鰐に懐かれて何事もなく終わるし、飼い主を怒らせて躾られようとしても何故か「仕方ねェな…」で済まされちゃう(犬が思ってるよりは可愛がられている)から、物足りなくてストレスたまる犬。

んで、どうしたものか、と割と真剣に悩みだした頃にアラバスタ編が始まる。
ルフィ達が檻の中にいるのを羨ましがったり、磔にされてる国王を羨ましがったり、飼い主が海軍に連行されちゃったり、黒髪美女もといロビンちゃんに連れて行かれて麦わら一味の船に乗船したりする。

メインはクロコダイルの元での虐められたいのに虐めてもらえない生活だからその後どうなるとか考えてない。ヒトヒトの実的な何かで人間の姿になれる様になっても面白そうだけど、そんなドMに絡まれるキャラが可哀想かも…。
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