忠犬でいつか書きたいネタ +
小さい頃、我が家では犬を飼っていた。凛々しいシェパードのオスで、名前は『アラン』。

アランはとても利口だった。
人に噛み付いたり吠えたりする事はなく、父や母の言う事をきちんと聞き、皆に愛されていた。自分もアランが大好きだったし、アランもその愛に応えてくれていた。
病に冒され、次第に弱り体が動かなくなっていっても、最期まで家族の見送りと出迎えを欠かさなかった彼は、家族以外の何物でもない。
アランは立派だった。
赤信号を渡ろうとする子を止めたり、踏切の中に取り残されたお婆さんを助ける為に緊急事態ボタンを押したりと、皆に頼られる存在だった。隣の家に空き巣が入った時には、すぐに気付いて突っ込んで行き、犯人を取り押さえるという大手柄を立てたほどだ。アランは我が家の誇りだった。

自分が9歳の時、仕事の関係で遅く帰って来た父の足元に頭を擦りつけ、そのまま倒れて息を引き取ったのがアランの最期だ。
最期まで誇らしげに胸を張っていた姿に、自分は強い憧れと尊敬の念を抱いた――。


「――…それで僕は、『アランみたいになるんだ』って決めたんです!」
「良い話っすね〜!」

○○がちょっと見え透いた熱さで語ると、黄瀬が瞳を潤ませながら感嘆の声を上げた。





ここまで書いて詰んだ
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