監禁。 +
かれはここを『鳥籠』と呼ぶけれど、鳥籠というものは外が見える様になっているのよ。
ここはただの『箱』。蓋を閉められた天井に、丸く切り取られた小さなそらが見えるだけ。

かれはわたしを『わたしのことり』と呼ぶけれど、わたしにだって名前があるのよ。
かれのあまいこえで呼ばれるのがすきだったのに。わたしの名前を忘れてしまったのかしら。

かれはいつも『あいしている』と囁くけれど、あれはきっと嘘よ。
何故かって、わたしを見るたび野うさぎを仕留める狼の様な、獲物を捕えた猛禽の様な瞳をするおとこが、あいなんて優しいものを語ると思える?



(ああ、何も知らないわたしのことり)
(愛とは獰猛なものなのだと、まだ気付かないのかね?)
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