ドフラミンゴさん逆トリ +
バスは多くて1日4本、駅は無し、人口が四桁いかないくらいの小さな村で、亡き祖母から継いだ小さな商店(村で唯一の店)を経営する若者(男でも女でも可)が主人公。
まず前提として、主人公は神が実在することを信じている。人知の及ばない存在というものを心から信じている。「信仰する宗教は?」と聞かれたら「古神道」と即答する。そして「天皇家は神の血を引く尊い方々」と信じている。某宣言は、「国民の為にそう言ったのだ」と思っている。この主人公にとって、最も尊い神は天皇陛下ご本人。この主人公の信仰は幼い頃に自然災害で家や両親を無くし、避難所生活を強いられていた時に慰問で訪れた天皇陛下からお声をかけて頂いたことから始まったんだけどそれは略。
明らかに頭おかしいけど周りにはバレてないっていうタイプ。

・話の内容
主人公が住む村の端の方には古びた神社があり、主人公は朝と夕方にそこへお参りするのが日課。
ある朝、何時ものようにお参りして帰ろうとしたら、後ろで物音がして、振り向いたらドフラミンゴさんがいた。っていう始まり。
ドフラミンゴさんの名前を「戸振恵命(とふるえのみこと)」とかなんかそんな神様っぽい感じに空耳した主人公が、神様に会えた感動に震えながら好意と尊敬と憧れとその他もろもろの良い感情と畏れを込めて「羽衣(ピンクのモフモフコートのこと)様」って呼んでドフラミンゴさんを崇めるので、状況がわからないドフラミンゴさんは取り敢えず主人公を使って情報を集めることに決定。
「(端末を使いこなしつつ)フフッフフフフフッ!」
「…羽衣様?どうかなさいましたか?」
「いや…フフ、面白ェ所に来たもんだと思ってよ」
「?もしかして、羽衣様はあまり高天原から降りられないのですか?現世のことに明るくないご様子ですし…何かあったら言ってくださいね」
「ああ、頼りにしてるぜェ。フッフッフ!」
って感じでわりと仲良くやる。
突然現れた不審者を無条件で従順に慕う主人公が愚かでかわいいドフラミンゴさんと、神様である(と主人公が思い込んでいる)ドフラミンゴさんのお世話を出来て幸せな主人公と、村民(じじばばしかいない)の孫みたいな扱いである主人公の元に突然現れた謎の外人大男を警戒する村人達の日常が、今、始まる…!

ドフラミンゴさんは出会い頭から「神様…!!」って感じの反応された上、その後も謎の勘違いから自分が神扱いされてるって理解してるから、主人公がよくわからん信仰を持ってることも知ってて、主人公がそういう人間だってちゃんとわかってる。
でも村人達からしたら、かわいいかわいい孫みたいな主人公が、謎の異国人が現れたとたんにおかしくなったように見えてる。実際、主人公は普段その信仰心を表に出すことはそうないから、ドフラミンゴさんが現れなかったらそれこそ天皇陛下に拝謁する機会でもない限り主人公の信仰心は日の目を見ない。そのせいでドフラミンゴさんは主人公を誑かしに現れた詐欺師か何かだと思われて、村人達に凄く嫌われる。
主人公がドフラミンゴさんを庇えば庇う程村人は怪しむ→村人が怪しめば怪しむ程ドフラミンゴさんは面白がって村人を怖がらせるべく意味ありげな行動をする→主人公は神様に敵意を向けるなんて罰当たりなと村人達に呆れつつも、怒らないドフラミンゴさんの心の広さに感動してドフラミンゴさんを庇う。エンドレスループで主人公のドフラミンゴさんへの好感度と村人のドフラミンゴさんへの不信感が上がり続ける。村人の前で普通に「羽衣様、必要なものはありますか?」「うまいもんと良い酒」「最高級のものを用意致しますね」「おう」とか話してるんだからそりゃ怪しまれても仕方ないね、完全に貢いでるね

主人公とドフラミンゴさんは凄く仲良く楽しく過ごすけど、そのうち村人達が我慢ならなくなって警察に通報する。
それを知ったドフラミンゴさんは、面倒事に巻き込まれる前にと、主人公を連れて最初に現れた神社へ向かう。神を通報ってどういうことだとポコポコ憤る主人公をしっかり抱えて本殿に堂々と侵入、その神社に奉られている御祭神の御霊代を蹴り飛ばして土足で御神座に上がる。
「羽衣様?一体なにを…」
「フフ…なァ○○、俺はお前を気に入ったんだ。『向こう』に連れていくが…構わねェだろ?」
「!!は…はい…もちろん!!喜んで!!」
「フッフッフ!イイコだ…しっかり掴まってろよ」
そして遠くにパトカーのサイレンを聞きながら、二人は一瞬でその場から消える。後にはピンクの羽が一枚…誘拐事件として新聞に載るけど、迷宮入りする。

さてワンピース世界にやって来た主人公。
ドフラミンゴさんの指示でドンキホーテファミリーのみんなから世界のことを教わって、そこが高天原でないことを知って、葦原中国のある地でないことも知ってちょっと混乱するけど、天竜人を創世の神の子孫と解釈したため、ドフラミンゴさんが尊い血筋であることを教えてもらったことで「羽衣様が仕えるべき神様であることに変わりはないじゃないか!」と即通常運転に戻る。
主人公の主観で見ると、神様が自分の元へいらっしゃる→仲良くなり、神隠しを受け入れる→高天原でも葦原中国でもない別の場所へ連れて来られる→神様が高天原ではない別のところの神様だったことが発覚…という流れ。ドフラミンゴさんがどこの神様であろうと仕えると決めた心は変わってないので問題ない。前にいたところの知識や常識でなく、ワンピース世界のそれを基準にしてもなおドフラミンゴさんを神と崇める主人公に、ドフラミンゴさんは大満足。コラさんは引く。

「神を殺すのはいつだって人間です。だから自分は人間が怖いのです。いつ、自分の信仰する神を殺そうとするかもわかりませんから…」って実はファミリー以外の人間を怖がっている主人公にドフラミンゴさんが爆笑する横でポーカーフェイスなコラさんの胃がキリキリしてるシーンが書きたい。
主人公の信仰は天竜人イコール神なわけだから、ドンキホーテファミリーを抜けたらどう考えても居場所がなくなるので、逃がすに逃がせなくてコラさん的には頭が痛い。純粋な信仰で「権能、というのは、神だけが持つ力です。神だから権能があるのではなく、権能があるから神なのです。…羽衣様は権能を持つのですから、それを行使することは当然です」とか言ってドフラミンゴさんの悪事とか全部肯定しちゃうから厄介。本人の性質が悪人でないぶん、更生を諦めきれず悶々とするコラさんがかわいそう。ちなみに主人公は既に手遅れなのでコラさんがどれだけ頑張っても変わらない。弟神として慕われることに心が痛むコラさん…ほんとかわいそう。サングラスの下でちょっと涙目になってたらかわいい。
「おはようございます、墨衣様!」
『おはよう』「…」『“すみごろも”っておれの事だったのか』
「ええ」
『何だその呼び方は』
「墨色の羽衣をお召しになられているので」
「…」『“コラソン”でいいだろう』
「いいえ。それがたとえ仮のものだとしても、尊き方々の名を直接口にするなど、そんな烏滸がましいことは出来ません」
「…」
「あっ!墨衣様、羽衣に火が」
「!!」
みたいなやりとりしてその度にこっそり落ち込むコラさんかわいい。

主人公は小さいながらも商店を経営していたので、取り敢えず最初は事務系の仕事をちょこちょこ任される。ドフラミンゴさんへの崇拝と信仰が周りから認められるにつれて、徐々に重要な書類等も任されるようになっていく。非戦闘員なので幹部にはなれないけど、最終的に地位は事務のトップくらいに…なんかしょぼい?
ただ、ドフラミンゴさんへの誠実さや忠誠はファミリーの中でも頭おかしいくらい高いっていう評価を幹部達からも受けるので、『裏切らない』という点においてはかなり信頼される。非戦闘員の囮とか、短期潜入とかでまず名前が上がるのが主人公ってくらいにはなる。しかも、主人公は日本人であるからして童顔。しかもワンピース世界基準では体も小さい。だから若いうちは子供のふりをして潜入…みたいなのも可能。ただし非戦闘員。惜しい。

終わりはいろいろ考えてるけど、逮捕ルートか死亡ルートが個人的にはお気に入り。どちらも両目を失っている状態(空白の二年間くらいの時期に事件が起きて目を失い、見聞色の覇気が使えるようになった)でドレスローザ編スタート。
逮捕ルートはそのまんま、ドフラミンゴさんの元にいるうちにいろいろ悪いこともした主人公が、海軍に捕まるルート。裁判では「自分は自分の信仰のためにすべきことをしただけだ」とか「人間が人間を裁くなんて思い上がりも甚だしい」とか「羽衣様は権能を行使なされただけなのに、どこに悪がある?」とか「海賊という悪がないと正義を保てないような曖昧な組織が、羽衣様という明確な正義を持つ我々を批判出来ると何故思っている?」とか言って『反省の色無し』と判断される。実際反省してない。インペルダウンにぶちこまれて、ドフラミンゴさん逆トリ期間中に頑張って覚えた身滌大祓の祓詞を檻の中で毎日延々と唱え続けて、周りの囚人達から気味悪がられる。「――天津神国津神、八百萬の神達共に聞食せと恐み恐み申す。…高天原に神留座す、神魯伎神魯美の詔以て――」インペルダウンの怪談として語り継がれるEND。
死亡ルートは、ドレスローザ編の最中、玩具から人間に戻った海賊に殺されかけるルート。ひよわな非戦闘員だから狙われるのも仕方ない。血をだらだら流しながらも最期にはちゃんとドフラミンゴさんの元へ辿り着いて、「根の国より、あなたの願いが叶うよう…祈って、おりま…す…」って感じで崩れ落ちる。この時点ではドフラミンゴさん&トレーボルとルフィ&ローの戦闘開始直後、なんならドフラミンゴさんが自分の血筋について告げる前。ドフラミンゴさんに「お前には苦労をかけた。今まで本当によくやってくれた」みたいな言葉をかけてもらって、首を落としてもらう。最期の言葉も「羽衣様」かな。喜びながら死んだ主人公の心酔ぶりにルフィとローとついでにベラミーがぞっとしてたらいい。笑顔の生首がドフラミンゴさんの恐ろしさを引き立てるEND。
(何でドフラミンゴさんに首を落としてもらうかと言うと、『この主人公の信仰において』、自分の崇拝する神の手で死ぬことは、自分の全てをその神に捧げる事と同意だから。主人公はドフラミンゴさんの元に辿り着いた時点で瀕死の重体、もう手を尽くしても助からない状態だったので、名も知らぬ海賊につけられた傷のせいで衰弱して死ぬくらいならドフラミンゴさんに命を捧げたい、と。ドフラミンゴさんも主人公の死を悟って、それならせめて望みを叶えてやろうっていうことです。…なんだこのヤンデレみたいのは)
どちらにしろホラー。


アニメのね…「ファミリーを傷つけるやつは、許さん!」だっけな、そのセリフの「許さん!」の言い方がめちゃんこかわいくてね…それに加えて、最近「現代社会では頭おかしい分類に入れられるレベルで信心深いキャラクター」を書きたい衝動があってね…2つが合わさったらこんなネタができてしまった…。
見下されるのが許せないドフラミンゴさんと崇めることに幸せを感じる主人公のこの利害の一致感たるや…あとこの死亡ルートはメリーバッドエンド(全員が幸せとは言ってない)臭がするね。大好物です、メリーバッドエンド。

本当はもっとファミリーと絡む主人公とかドレスローザ王国の悪夢での主人公とか国を乗っ取った直後民衆にドフラミンゴさんを布教する主人公とか何年経っても何故か老けない主人公とか闘魚を飼い慣らしてコロシアムの場外退場者を回収する係になる主人公とかも書きたかったけどそれはまた今度で。

あともう一人、シャボンディ諸島編の人間オークションで天竜人に「アア!?んなもん(ガラスのヘルメットみたいなやつ)がねぇと息も出来ねぇような脆弱な下等種族が、人間様に偉そうな口聞いてんじゃねぇよ!!」とか言っちゃうクッッッソ偉そうな子とかも考えてるんだけどこのネタの主人公と真逆過ぎて温度差がグッピーなら死文字数
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