※後半会話文 六頴館高校主
「あ、」
それを見たのは本当に偶然だった。
用事があって歩いていた道の途中、たまたま通った某Mの文字が大きくある店の前。歩き様に覗いた店のなかに思わず声をあげた。
▽
いつものように訪れたお昼。いつものようにお弁当…と、この間見てしまったものを持って辻のもとへ
「おーい辻〜飯一緒に食おうぜ」
辻を呼んで声をかければ、驚いたように瞬きをした。
「あぁ…どうしたんだいつも食べてるだろう。それなのにいきなり誘ってくるなんて」
「いや〜今日はちょっと…ね」
「なんだ…?」
「そんな警戒すんなよ…対したことじゃないって」
「…本当か?」
「ほんとだって!渡したいものがあるだけだ」
「…渡したいもの?」
「あぁ…これ」
「…ティラノサウルス!?」
めったに声を大きく出したりしない辻が大きい声を出した。その事に少し笑いながら応える。
「おーおー。驚いてるなぁ…」
「これを…どこで…」
目は手の中のおもちゃに奪われたまま辻はそう呟いた。
「あーそれは…」
「(いい淀むような場所なのか…!?)」
「…某Mの店」
「…あそこのおもちゃ…!?」
そう。この間覗いたときに見えたのはこの恐竜のおもちゃだったのだ。しかも、しばらく時間が合わず、辻とはあの店にはいっていない。
「いや…ちょっと覗いたらあったから…辻が欲しそうだと思って…買った」
「ハッピーセットを…!」
「ちょっと恥ずかしかった…」
注文したとき…あのときの店員さんの優しい目線が…忘れられないぜ…
「…ありがとな」
「…まぁそんなに喜んでくれたならよかったよ」
そういえば、
「後半から違う恐竜も出るっぽかったぞ」
「…!!!」
いつもの数倍は辻の目が輝いてる。微笑ましく見ていたが思わず不安がよぎる…辻一人で某Mの店にいってほぼ確実に注文聞いてくれる人は女性だ…辻は注文できるのか…?しかもハッピーセット…
いや、できないだろう。これは…
視線を辻に戻せば、辻の目が着いてきてくれと訴えかけてくる
「…行くか?」
「(こくり)」
「じゃあ後半始まったらいくか」
(後日二人で行ったが辻はやっぱり注文のとき固まりました)
2016.0630
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