*そして愛に変わるまで*

肩を大きく上げ深く息を吸い込むあかりの舌が俺から離れ、そっと離した唇に銀の糸が紡がれる。

何かを言いたげに僅かに動く濡れた唇を俺の唇で拭うように啄み、間近で見下ろした。

律儀に呼吸を止めていたのかほんのりと赤く染まる頬から首筋。少し色っぽくも感じるその色は滑らかなあかりの肌によく似合うとまじまじと見つめた。

「……そんなに見たら…恥ずかしい…。」

心底困ったと言わんばかりに眉を下げるあかりの恥じらう顔は何度も見ているはずなのに、ちょっとした表情、仕草、そのひとつひとつ、すべてが心にくるような、ぎゅっと心臓を掴まれたような、言葉には言い表せない気持ちになり繋いだ手を握りしめる。

「だから、そんな顔するから……。」

揺れる瞳を間近で見つめ口を開くがそれ以上は続かない。そんな俺を見つめ返したあかりの瞳と絡み合う。
たったそれだけで沸騰するような身体の熱と激しくなる鼓動を抑え切れず、顔をずらして頬に唇を寄せ触れた。

肩を竦めながらも受け入れるように逸らされ、首筋が目に飛び込む。しっとりとふわりと、柔らかな肌を啄み甘く香る肌を唇で感じる。枕がわりに差していた腕を抜きながら肘で自分を支え、あかりに覆い被さり肌の上を進む。

自分のしている事は今までとなにひとつ変わりない。

愛撫の度に擦れるように触れる脚。口の中で、舌で感じるあかりの柔らかな膨らみ。落ち着かなく俺の胸をまさぐるあかりの細い指先。求められるように首筋に絡められるしっとりと汗ばむ腕。

ここ数日間とはいえ、この場所で、あかりを抱いた。それなのに、指先、唇、肌、あかりに触れる俺の感覚が、唇、胸元、首筋、肌、俺に触れるあかりの感触が今までとは明らかに違う。

この違いはいったいなんなんだ?

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