*そして愛に変わるまで*

そのまま重ねた掌はあかりの体温が伝わりじんわりと暖かだ。
ただ、静まったはずの熱がまた身体の中を動き出した気がして、なんとなく落ち着かなくなる。

「あ……、でも、瑛くんが言ってる事なんとなく分かるかも。…こうやってすると擽ったいよね?」
「あっ、バカ!」
「ええっ!?」

俺の掌の上で突然曲げ始めるあかりの指先の動きに慌てて手ごと掴み、強く握りしめた。
とくとくと鼓動に合わせた血液が一部分だけ熱く感じる。そんな俺の微妙な変化も気付かないあかりの慌てていても呑気そうな顔は肌を重ねているにもかかわらずいつもと同じで、なんとなく気恥ずかしくなりそれをごまかすように握った手をシーツの上に縫いつける。

「な、な、な、なにっ!?」
「だからバカなんだよ。……ったく、ぜんっぜん気付かないなんて…俺が恥ずいだろ。つーことで、責任取ってもらう。」
「えええっ!?意味が分からないよ!」
「……だから。今のでこうなったの。あかりがこうやって…こうしたから…。」
「―――んっ!」
「な?だから……。」

シーツの上に沈んだあかりの手を指でこじ開けながらなぞられた通り指を伝わせ掌で止める。
ぴくりと反射させるあかりの指を閉じさせないように合わせ貝のように重ねて、文句が出る暇も与えず唇も奪う。

「ん、んん――っ。」
「ん、っ…。」

押しつけた唇であかりの唇をこじ開けその隙間から舌先を捻じ込む。
唇の裏側の粘膜から歯列をなぞると条件反射のように並びのいい歯が薄く開いた。
ひたりと触れるあかりの濡れた舌先。味覚に敏感な俺の舌先があかりを感じる。

何度もこうやって絡ませ合うあかりの、俺しか知らない、あかりすら知らないはずのあかりの味。裏筋を根元まで擽るように俺の舌先を伝わせると刺激を感じて溢れさせ、俺と混ざる。

違和感などこれっぽっちもなく、むしろ甘さすら感じるあかりの唾液を、貪るように俺に取り入れるように。舌を絡めあかりを感じていると、止まった呼吸を求めるようにあかりの舌先が震え唇が大きく開いた。

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