甘いのがお好き

学校帰りの寄り道先はショッピングモール。
CDショップのインディーズコーナーで一人悩んでいる。

「……これ、だったよね?」

合ってるはず、こんな感じのバンド名だったし発売日も合ってるし。

そう思いながら一枚のCDを手に取る。

「今は無名に近いけどな。ぜってー売れるから聞いてみろ。」

そうハリーに奨められたロックバンド……らしい。

ロックって聞かないからさっぱり分からないんだけど、ハリーが熱く語ってたからいいバンドなんだろう。
あといくつか聞いたはずなんだけど、結局ちゃんと覚えてたのはこれだけで、仕方なくレジに向かう。

メモに取っておけばよかったかな?
でも、そんなに何枚も買えないしとりあえずはこの一枚をゆっくり聞いてみたらいいかな。

鞄の中に買ったCDをしまいながら店を出る。

次はどうしようかな?せっかくだし、本屋さんにでも寄ろうかな……。
寝る前に読むのとか、あ!この前ネットで見つけた写真集ないかな?

CDショップから程近い本屋さんに入る。

まずは恒例の『はばチャ』をチェック。

春の特集か……。出会いと別れ……、なるほど。もうすぐ卒業式、それから入学式もあるんだよね?

そっか……、もう一年なんだ。この街、それから羽学に入って。

記事は、桜を特集していた。春と言えば桜だものね?

学校の桜も綺麗だったけど、これに載ってる森林公園の桜も綺麗なんだろうな。
桜の季節に行った事ないから、今年は見に行けるといいんだけど。

のんびり芝生に座って桜を眺めたら気持ちいいだろうな。
珪くんだったらあっという間に寝ちゃうだろうけど。

そんな事を考えて、クスリと笑いながら本を閉じる。
何か面白そうな新刊は出てないだろうかと小説コーナーへ。

あ、はるひちゃんの好きそうな恋愛小説。
それに、竜子さんが好きそうなのもある。
これは二人に教えてあげなきゃ。

他には……、このタイトルって、なんだか気になる!SFファンタジーだし、うん、いいかも!

一冊を取り脇に抱える。普段から本の選び方ってこんな感じ。
中を見ないからハズレちゃう事もあるんだけど、それもまた楽しい。
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