特別な年賀状

1月1日。元旦。

朝から右手に携帯。左手には年賀状。
このままの姿でかなり悩んでいる。

左手の年賀状は天音からのもの。
前に言っていた 名前の由来の写真を使ったんだろうか。
わざわざ海を入れてくるのが 天音らしい。

冬休みに入ってからは バイトの二回しか会っていない。

―――いや。三回か。

冬休みに入ったとは言えないクリスマス。
学校主催のパーティー。

出席なんかしたくないけど、休めば休んだで後で何を言われるか分からない。

嫌々出かけたら 案の定女子達に捕まって。
愛想笑いをさせられ 揉みくちゃにされ……
やっとの思いで体育館から逃げ出した先に 天音がいた。

上着も着ないで何やってんだ。

って最初は思った。

目が暗闇に慣れてなかったから まさかあんな恰好だとは思わなかったんだ。

細い肩を出したドレスで 巻かれた髪がフワフワと肩で揺れていて……
色も黒だから 天音の白い肌が浮き立って見えて……
全身が すべて俺好みに統一されていて 知らないうちに似合ってるって答えてた。

白い肌が寒そうに見えて上着を貸そうとしたら いらないなんて……

たぶん あいつの事だから 俺が風邪をひくなんてとぼけた事考えたんだろう。

一歩近づいて あいつに上着をかけたら、ちょうど肩に手を置く感じになって……

俺を見上げた表情がなんか 堪らなく可愛くて、思わず息を飲んだ。

どう考えても マズイ体制だろ。あれって。
あいつが話しかけて来なかったら、確実にやばかった気がする。
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