見上げる夜空

本当の冬休みはまだなんだけど もう今日から冬休みって言ってもいいよね?

明日はクリスマスイヴ。学校でパーティーが開催される。
以前からパソコンでチェックしていたバーゲンがあるから それに併せて着ていく服を買おうかなって思ってた。
プレゼントも買いに行かなきゃだし。

「パーティーの洋服ならいいのがあったんだよ?」

って言う美奈ちゃんに連れて来られたのは『ブティック ソフィア』。

「この新作が絶対似合うって珪くんが!」

「ねぇ…… いつ見に来てたの?」

「えっとね〜 先月だったかな?まだ用意してないだろうからって。」

どうしてこの二人は私の事ばかり気にするんだろう……
それにこのドレスって……

「ねぇ これって肩ないよ?」

「うん! チョーカー付いてカワイイよね!
珪くんはね? 天音ちゃんは色が白いから 黒にしろって!」

相変わらず 質問と答えが合ってないよ……
それに、私に拒否権はないんだよね。

「絶対これなんだよね?」

「そ!好きな系統だろうから 今年はこれで様子見なんだって!来年はさらにバージョンアップって言ってたよ?」

「好きなって誰が?それにバージョンアップって?」

「ん〜〜。わかんない!でも 珪くんの言う事に間違いはないから大丈夫!」

分かんないのにどうして自信があるの……

それにしても これ……
大胆すぎるよね……

「後は振り袖とプレゼントだっけ?」

「うん。今日はバーゲンなんだって」

「私の使えばいいのに。いくらバーゲンって言っても高いんだから」

「美奈ちゃんだって 珪くんとお参り行くでしょ?ダメだよ」

「じゃあ 来年は取り替えっこしようね!」

振り袖を買うのは 『ブティック ジエス』
ブルーのグラデーションがとても綺麗で、一目で気に入った。
プレゼントは 前に珪くんと行った雑貨屋さんで 『ガラス細工の天使』に決める。

「これ 自分に帰ってこないかな……」

「天音ちゃん。それじゃあプレゼントの意味ないよ」

「だって 可愛いんだもん」

目を閉じた天使がお祈りしてる。

ホントにすごく可愛い。
ちょっと ううん。かなり残念。
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