想いを込めて

自分の気持ちを自覚した週末。

眠るとあのシーンが夢に出てくる。
土曜の夜、日曜の夜、そして昨日の夜。
何度も何度も見ると、眠る事が怖くなる。

針谷の、そして大崎の気持ちを確かめたわけでもないのに、なぜか絶望的な気分になっている。

「はーー。頭 痛い」

寝不足で痛む、そして回らない頭。
それでも 学校に行くためにのろのろと起き出す。

(はっきり聞いてしまえば、楽になるんだ)

しかし どうやって?
音楽室には二人しかいなかったわけだし、他の誰も知らないはずだ。
あの時、俺しか居なかったんだから。
それに、昨日の……月曜の二人に変わった様子はなかった……と思う。

学校に着くと、珍しく早くから登校している西本に呼び止められる。

「佐伯。あんた昼休み女の子に捕まったらあかんで?」

「……西本さん。 話が見えないんだけど?」

「ちょっとな?サプライズがあるんや。やで、うちらとご飯食べるんやで?ええな!」

「う うん。わかった」

早口でまくしたてる勢いに、思わず首を縦に振ってしまっていた。
俺の即答に 満足そうに笑う西本。

「中庭集合な!あと 天音にはまだ秘密やで?」

「秘密? 大崎さんにって?」

「まぁ そこは後でのお楽しみやな! とにかく天音には内緒やで?」

「絶対やで!」とバタバタと走り去る。走っている間も、あちこちに挨拶したりと忙しい。いや、騒がしい。

サプライズっていったいなんだ?
たぶん 大崎に関係あるんだろうけど……。しかし、俺にまで理由を言わないんじゃ誰にサプライズなのか 判らないんじゃないんだろうか……。面倒だから言わないけど。
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